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73年、アルバム『戦慄の女王』にてデビュー。その端正なルックス、重厚なコーラス・ワーク、卓越した演奏力、へヴィかつキャッチーな楽曲でたちまち人気バンドに。イギリス国内はもとより、ここ日本での人気が異常に高く、ディープ・パープル、レッド・ツェッペリンに続くブリティッシュ・ハード・ロックの大型新人としての期待(大貫憲章氏による魂のこもったアツいライナー・ノーツは必読)、王子様然としたルックス(フレディ以外)による外タレ・アイドル・バンド的な人気、すなわち硬派なロック・ファンとミーハーな女性ファンの両方から支持された稀有なバンドであった。初来日の際、羽田空港に1000人ものファンが押しかけたというのも頷ける。
75年、彼らの魅力のすべてを1曲に凝縮したかのような大傑作ナンバー「ボヘミアン・ラプソディ」を発表、世界的なヒットとなる。また、ライヴ・バンドとして世界各国をツアーし、次々と各地の動員記録を塗り替えていった。フレディ・マーキュリーの天才的なエンターテイナーとしての資質、バックを務めるメンバーの抜群な演奏力があってのことだろう。
その後も「伝説のチャンピオン」、「ウィ・ウィル・ロック・ユー」といった大ヒット曲を連発し、人気を不動のものにしていった。80年代に入り、当時全盛であったディスコ・ミュージックを貪欲にとり入れた「愛という名の欲望」をリリース、懐の深さをみせつける。ちなみに、その年のアメリカン・ミュージック・アウォードのべスト・シングル賞を獲得。そのころには、単なる人気ロック・バンドの枠を越え、イギリスの国民的バンドとなった彼ら。アルバム、シングルなどリリースするものすべてが成功をおさめるまでになった。
しかし91年、かねてからの噂であったが、フレディ・マーキュリーがHIV感染による合併症にて他界——全世界に衝撃が走った。フレディの死により活動休止を余儀なくされたが、クイーンの残した数々の名曲群はこれからも世界中で愛され続けるだろう。

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