AKB48 倉野尾成美が赤裸々告白 現役がOGメンバー参加に抱いた複雑な感情、「ここで負けたら終わる」20周年の悔しさ

AKB48 倉野尾成美が語る、20周年イヤー

 2025年、AKB48は結成20周年を迎え、劇場リニューアルや全国ツアー、OGメンバーも参加したシングル曲のリリースなど、さまざまな取り組みを通して、記念すべき20周年イヤーを盛り上げてきた。その集大成となる12月の日本武道館公演には、前田敦子、大島優子、高橋みなみ、板野友美といったレジェンドメンバーが多数参加。その変わらぬアイドル姿は多くのメディアで取り上げられ、AKB48とともに青春時代を過ごした世代を中心に、大きな話題となった。

 そんな世間の盛り上がりのなかで、この20周年イヤーを複雑な想いを抱えながら過ごしてきたメンバーがいた。令和のAKB48を引っ張る、4代目総監督の倉野尾成美である。その感情は、武道館公演最終日に語った「悔しい」という言葉によって発露することになった。そこでリアルサウンドでは、この発言の真意に迫るべく倉野尾へのインタビューを企画。OGメンバーとの邂逅によって揺れ動いていった感情を、素直に、しかし確かな意思を持って語ってくれた。(編集部)

OGメンバーとの交流で感じた現役との違い

AKB48 倉野尾成美

――AKB48 20周年イヤー、お疲れさまでした。この1年間、“20年”という数字をどのように捉えながら活動をしていましたか?

倉野尾成美(以下、倉野尾):20年間在籍したオリジナルメンバーがいないという状況での20周年ということもあって、私のなかでは“重い”という印象が強かったです。先輩方から受け継いできて、たくさんの人が支えてくれて、今のメンバーで迎えることができた20周年イヤーでしたし、その重みをひしひしと感じていました。

 先輩方があっての私たちなので、最初は一歩引いてしまいそうになる気持ちもあったんですけど、武道館公演のリハーサルで「今続けてくれているメンバーのおかげで20周年を迎えられたんだから、もっと堂々と胸を張っていいんだよ」って先輩方が言ってくれて。それからは「自分たちも歴史の一員になれているんだ」と気持ちを切り替えることができたんです。なので、“20年”という数字の捉え方は変わりました。グループとしても、20周年を迎えるにあたってメンバーの想いを固めていくことができたと思います。

――メンバーの意志統一は、総監督として意識的に行ったのでしょうか?

倉野尾:そうですね。今回の武道館は全6公演中3公演が先輩方と一緒に行う公演だったんですが、そのリハーサル期間中に、現役メンバーの気持ちがひとつになった瞬間が多くあったと思います。先輩方がいることで、やっぱり遠慮してしまったり、踊りが小さくなってしまったり、個性を出せなかったりして……自分たちでも課題を感じていたんです。でも、現役メンバーだけのリハのときに、みんなで円になって意見をぶつけ合う時間を設けました。自分たちがこの20周年イヤーを通して何をやらなければいけないのか、確認し合う時間というか。あの日があったからこそ、メンバーの足並みが揃って、気持ちがまとまったなって。

 もちろん常日頃から気持ちが揃っていればいいんですけど、大人数のグループなので全メンバー通してのコミュニケーションってなかなか難しいんです。だからこそ、この20周年はすごくいい機会になりました。私が総監督になってから、いちばんまとまりを感じた期間だったと思います。

AKB48 倉野尾成美

――先輩メンバーの存在が刺激になったんですね。

倉野尾:今のAKB48は、振り付けもしっかり固まっていて、カチッとやっていくスタイルですが、かつてのAKB48は遊び心があるというか。そのマインドを持っているのが先輩たちで、自由に楽しんでいるように感じたんです。もちろん、どっちが正しいということではないんですが、今の私たちにその要素が加わればもっと良いパフォーマンスができるんじゃないかって、とても刺激になりました。

――20周年イヤーは劇場のリニューアルから始まり、劇場での記念公演で終わりを迎えました。AKB48にとっての劇場の大切さが、あらためてわかった1年でもありましたね。

倉野尾:改修工事で使えなくなってしまうというタイミングに、あらためて劇場の存在の大きさを感じましたね。リニューアルで本当にきれいに、華やかになって、「ここをホームにしていかなければいけないんだ」と気が引き締まりました。「この華やかさに負けたらいけない」って、劇場から良いプレッシャーをもらっている感じです。

――新劇場から挑戦されてるようなイメージですね。

倉野尾:この場所を、自分たちで旧劇場のような温かな空間にしていかないといけないんだなって、頑張らないといけないとすごく思いました。またイチから始めるような感覚です。

――そして約9年ぶりとなる新公演『ここからだ』が始まりました。感触としてはいかがですか?

倉野尾:私は在籍して12年にして、初めてのオリジナル公演なので本当に嬉しかったです。先輩方から引き継いできた公演からもたくさんの学びがありますが、全て自分たちのために作っていただいた楽曲というのはやっぱり特別で。気持ちの入り方もこれまでとは異なる感覚がありました。

――劇場公演というのは、AKB48を象徴する存在でもありますからね。

倉野尾:実際に楽曲にも今のメンバーだから歌えるようなフレーズが入っていたりして、「本当に私たちに向けて作られた公演なんだ」ということを実感しています。これまでの公演は、「ここで盛り上がる」とか「ここでコールが入る」とか、ある種のフォーマットができていたので、今は自分たちで作り上げることの大変さも感じています。

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初代総監督・高橋みなみから学んだリーダーの仕事

AKB48 倉野尾成美

――20周年イヤーを象徴する作品として、OGメンバーも参加した楽曲「Oh my pumpkin!」があります。倉野尾さんにとって、どのような楽曲になりましたか?

倉野尾:先輩方をはじめ、海外グループのメンバーが選抜されていたりと、20周年をたくさんの人に支えられている感覚がありました。過去の楽曲の振り付けが入っていたり、愛を感じる瞬間もたくさんありましたね。この20年間がひとつになったような、そんな楽曲でした。

Oh my pumpkin! Music Video / AKB48 66th Single【公式】

――OGメンバーの参加は、最初からポジティブに受け止められましたか?

倉野尾:本音を言うと……「あ、ヤバいな」と思っていました。もちろん「嬉しい」って感情もあるんですけど、やっぱり「自分たちだけじゃダメだったのかな」という気持ちにもなりましたし。歌番組に出させていただくときも、先輩たちのほうがカメラ割りが多かったりして。20周年イヤーを通して、いちばん最初に「悔しい」って言ったのはこのタイミングだったと思います。選抜された現役メンバーとは、「私はこのままじゃ悔しいんだけど、みんなはどう?」って話したんです。そうしたら、みんなも共感してくれて。そこからは縮こまらずに自分たちを少しずつ出せるようになっていきました。でも、これは現役メンバーだけでやっていたら出会えなかった感情なので、「私たちにも“悔しい”っていう気持ちがあるんだ」ということを確認する時間でした。

――そこで芽生えた感情が、武道館公演に繋がっていったんですね。倉野尾さんは、どういうふうに関わっていったんでしょうか?

倉野尾:OGの皆さんが出演する公演は、“AKB48 20周年応援総団長”だったたかみなさん(高橋みなみ)を中心に、小嶋陽菜さんと指原莉乃さんの3人が中心なってセットリストを考えてくれました。そのなかで現役だけのブロックがあったり、ユニット曲に現役が参加することがあったので、その楽曲や人選などを私のほうで考えました。

AKB48 倉野尾成美

――高橋さんとは、すでに交流がありましたか?

倉野尾:在籍が被っている期間もあったんですけど、当時はあまり関わりがなくて。私が総監督になってからインタビューなどでご一緒できる機会があり、そこから少しずつ交流が生まれました。武道館のリハーサル期間中も、いろいろとアドバイスをいただきましたし、曲の煽りを考えていたら「こう言ってみたらいいんじゃない?」ってアドバイスをくださったりとか。レスポンスの速さがすごいんですよね。「みんなよりも一歩先を見ているんだな」って、かっこいいなと思いました。たかみなさんがいるからこそ、その場が円滑に回っている瞬間を何度も目撃したんですよ。現役生、卒業生、スタッフさんまで全て繋いでくれていて、全体をまとめながら私たちに向き合ってくれて。やっぱり「リーダーだな」って思いました。

――高橋さんは応援団長としての役割だけでなく、より広い視点から全体を見られていたんですね。

倉野尾:視界の広さに驚くというか。「こうしたほうが全員が気持ちよく活動できるんだ」とか「こっちのほうが効率がいいんだ」とか、リーダーとして必要な動きを全部体現していて。私も1年半ぐらい総監督をやってきましたが、学ぶことがたくさんあって、心のなかで何回も「うわあ、すごいな」って感心していました。

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