ももいろクローバーZ、女性グループ初の国立公演から12年 日本を照らし“笑顔を届け続ける”という偉業

 2010年代のアイドルシーンにおけるハイライトを振り返る時、筆者の脳裏に深く刻まれているのが2013年1月1日だ。その前夜、ももいろクローバーZは『第63回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)という夢の舞台を踏んでいた。2008年夏、NHKホールが隣接する渋谷・代々木公園のけやき通りでの路上ライブから始まった“紅白ロード”は、一つの到達点を迎えた。

特報映像「ももクロ春の一大事2014 国立競技場大会~NEVER ENDING ADVENTURE 夢の向こうへ~」/ももいろクローバーZ(MOMOIRO CLOVER Z)

2014年に国立競技場公演を開催、アイドル戦国時代に打ち立てた数々の功績

 グループはもちろん、ファンとしても筆舌に尽くし難い高揚感が残ったであろう元日の早朝。年明け独特のぼんやりした雰囲気のなか、ももいろクローバーZはUstreamの生中継番組に出演し、2階建てのオープンバスに乗って自分たちのゆかりの場所をまわっていた。そして、集まったモノノフ(ももいろクローバーZのファンの呼称)の前で「国立競技場に立ちたい」という新たな目標を掲げた。その瞬間、元日のふわふわとした体に火照りが出たことを記憶している。

ももいろクローバーZ - 3分でわかる6年間の軌跡(MOMOIRO CLOVER Z)

 その目標は2014年3月15日、16日に実現することになる。国立競技場公演『ももクロ春の一大事2014 国立競技場大会 〜NEVER ENDING ADVENTURE 夢の向こうへ〜』が開催。女性グループが当時の国立競技場で単独アーティストとしてライブを行ったのは、初めてのことだった。2日間で会場11万人、ライブビューイング4万人の合計15万人を動員した。メンバーの玉井詩織はライブ演出で聖火台に立ったときのことをこのように回想している。

「聖火台に立ったとき、なんか東京の一番上にいるみたいな気分になった」(『BRODY』2020年10月号/白夜書房より)

 その言葉は決して大げさなものではなかった。ももいろクローバーZが成し遂げたことはJ-POPのヒストリーに残る偉業であり、アイドル戦国時代と呼ばれた当時において、百田夏菜子、玉井、佐々木彩夏、高城れに、有安杏果の5人を擁するももいろクローバーZこそが頂点に立ったグループであるという評価を強めたからだ。

告知映像「ももクロ春の一大事2014 国立競技場大会~NEVER ENDING ADVENTURE 夢の向こうへ~」/ももいろクローバーZ(MOMOIRO CLOVER Z)

 一方で『紅白』出場、国立競技場公演と、目標を次々と実現させたももいろクローバーZに大きな問題が立ちはだかった。それは「次はどうするのか」ということだった。ももいろクローバーZの最大の強みは、モノノフを巻き込んで実現困難な夢や目標に突っ走っていく下剋上とサクセスの物語だった。ももいろクローバーZのライブ演出などを担当する佐々木敦槻も「正直、困ったわけですよ。この先、どうするんだ、と。本当に選ばれたアーティストしか立てないステージに立ってしまった紅白歌合戦にも出ている。会場の大きさでいったら、国立よりも大きな会場でやっちゃってる。じゃあ、次はどうすればいいのよ」(『BRODY』2018年7月増刊号/白夜書房より)と頭を悩ませたと話す。

 実際、国立競技場公演の前年には、国内最大規模の収容人数を誇る日産スタジアムで単独の女性アーティストとしては初の公演『ももクロ夏のバカ騒ぎ WORLD SUMMER DIVE 2013.8.4 日産スタジアム大会』を開催。約6万人を集め、大成功を収めた。さらに国立競技場公演後に行われた再びの日産スタジアムでの公演でも、2日間で約15万人超。この時点で、規模的な面で挑戦できることは現実的に徐々に限られ始めていた。

特報映像「ももクロ夏のバカ騒ぎ WORLD SUMMER DIVE 2013.8.4 日産スタジアム大会」(MOMOIRO CLOVER Z)

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