「マンガとゴシック」第13回:「河童の斬られた片腕」の謎——水木しげる『決定版 日本妖怪大全』
怪奇幻想派にしてコレクター 水木しげるが英米の怪奇幻想文学の熱心な読者であり、それらを翻案した作品を多数描いていることは比…
「マンガとゴシック」第12回:チャールズ・バーンズ『ブラックホール』とタラッサ的退行——シアトル、グランジとの同時代的共振
思春期ボディホラー いきなり映画の喩えになって恐縮だが、デヴィッド・リンチ作品のアメリカン・シュルレアリスムと、ガス・ヴ…
「マンガとゴシック」第11回:百科全書派ゴシックとしての『フロム・ヘル』——パノラマ的視点の問題を突く
■鬼才アラン・ムーアと切り裂きジャックの出逢い こんな夢を見た——「切り裂きジャックVS阿部定」。 2023年、…
「マンガとゴシック」第10回:楠本まき『KISSxxxx』論 後篇——日常という名の「不思議の輪」
『ゲーデル、エッシャー、バッハ』の影響 前篇では、楠本まき『KISSxxxx』を「日常系ゴス」だの「ハッピーゴス…
「マンガとゴシック」第9回:楠本まき『KISSxxxx』論 前篇——キュアーで踊る、ハッピーゴスの誕生
ポジティヴ・パンク/ゴスロックを描いた初のマンガ 水野英子『ファイヤー!』が先鞭をつけ、上條淳士『TO-Y』…
「マンガとゴシック」第8回:丸尾末広と「独身者機械」——初期エログロナンセンス作品から最高傑作『パノラマ島綺譚』まで
「叙情」を拒むスエヒリスム——万引きから引用へ 前回連載で扱った日野日出志が「怪奇と叙情」を自ら謳ったのに対し、同じ「ガ…
「マンガとゴシック」第7回:日野日出志「蔵六の奇病」と虹色のデカダンス ユイスマンス『腐爛の華』から考える「腐れの美学」
ギレルモ・デル・トロも惚れた「怪奇と叙情」 「怪奇マンガ」というジャンルが好きならかなり早い段階で、そしてサブカ…
黒い脳髄、仮面のエロス、手の魔法 後藤護の『ベルセルク』評
世界中で愛読されるダークファンタジーの傑作漫画『ベルセルク』。作者の三浦建太郎が2021年5月6日逝去したことで未完となっていた…
乙女と奈落~『テレプシコーラ』で『ヴィリ』を読むーー山岸凉子のバレエ・ゴシック【後篇】
グロテスクなまでにバレエの「リアル」を描く 前回は山岸凉子の出世作『アラベスク』のタイトルに注目して、アラベスクがいかにして…
水晶の官能、貝殻の記憶ーー後藤護が着目した『進撃の巨人』の小さなモチーフ
稀代の傑作『進撃の巨人』は人類に何を問いかけるのかーー2021年4月に約12年に及ぶ連載に終止符を打った漫画『進撃の巨人』を、8…
『ポーの一族』と「ロマンティックな天気」 ——疾風怒濤からロココ的蛇状曲線へ「マンガとゴシック」第3回
語られつくした名作 楳図かずお論から引き続き、今回から女性の少女マンガ家におけるゴシック的想像力の系譜を辿っていく。楳図に『…