『魔法少女リリカルなのは』新作アニメ発表ーー再評価進む2000年代作品、2025年に20周年を迎える注目作は?

■放映開始から20周年、根強い人気

  2000年代を代表する魔法少女アニメ『魔法少女リリカルなのは』の完全新作TVアニメーションが制作されると発表があり、ファンが歓喜している。新作が制作されるのは2018年に公開された劇場版以来で、実に約6年ぶりとなる。タイトルも『魔法少女リリカルなのは EXCEEDS Gun Blaze Vengeance』となることが決まった。

 ちなみに、『魔法少女リリカルなのは』のアニメ1期が始まったのは2004年10月のことで、2024年でちょうど20周年を迎える。これを受けて、SNS上ではファンが「もう20周年なのか…」「時間が経つのが早い…」と衝撃を受けている様子も見られた。

 2000年代前半はオタク文化が急激に盛り上がった時期で、かわいい女の子が登場するアニメが多数制作された。そこで、2025年に20周年を迎える美少女系アニメのタイトルを列挙してみた。すなわち、2005年に放映された作品である。

■京アニの伝説の名作

 美少女ゲームが原作で、京都アニメーションが制作した傑作アニメといえば『AIR』である。美少女ゲームのブランドKeyに所属する原画家・樋上いたるが描いたかわいらしいキャラ、そしてシナリオライターで作詞・作曲家でもある麻枝准が生み出す世界観を忠実にアニメ化し、その美しい映像は当時のアニメファンの間で大きな話題になった。

 2005年1月6日に放送開始された『AIR』は、アニメDVDの年間売上ランキングでは2位になるほどの大ヒットとなった。その後、京アニはkeyの美少女ゲーム『kanon』『CLANNAD』を立て続けにアニメ化し、いずれもその映像の美しさが高く評価され、京アニはアニメファンの間でブランド化していった。

 また『涼宮ハルヒの憂鬱』のイラストでも著名ないとうのいぢがイラストを担当したライトノベルが原作の『灼眼のシャナ』も、2005年に放映が始まったヒットアニメである。アニメ1期の放送開始は2005年10月5日で、主人公のシャナは釘宮理恵が声優を務め、ラノベ界を代表するツンデレキャラとして人気になった。

 「週刊少年ジャンプ」で恋愛漫画を手掛けた河下水希の『いちご100%』のアニメも、2005年4月6日に始まっている。また、今では政治家としても有名な漫画家・赤松健が原作の『魔法先生ネギま!』のほか、『苺ましまろ』や『ふしぎ星の☆ふたご姫』も2005年のアニメである。こうしてみると、2005年は美少女系のアニメが大豊作だった年といえるかもしれない。

■再評価が進む2000年代のアニメ

 近年、2000年代にヒットした人気漫画・アニメの新作が盛んに制作されている。『魔法少女リリカルなのは』も2025年に大きな動きがあり、「水曜日のシリウス」で『魔法少女リリカルなのは EXCEEDS』の連載がはじまるうえ、20周年を記念し、イラスト集『魔法少女リリカルなのは メモリアルビジュアルコレクション』も2月27日に発売される予定だ。

 いわゆる秋葉原ブームを巻き起こした『電車男』の単行本が刊行されたのは2004年10月のことである。当時は秋葉原のオタク文化の全盛期であり、コミックマーケットも大盛り上がりだった。2025年はこの時代を過ごしたアニメファンに向けた、過去の名作の新しいメディアミックスや、スピンオフ作品が今後ますます増えていくかもしれない。

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