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その異常な売れ方のせいで肝心な点を見失いがちだが、ニルヴァーナの音楽が90年代のもっとも良質なロックだったことは、もはや疑いようがないのではないだろうか。クルス・ノヴォゼリック、デイヴ・グロール、カート・コバーンの3人組はその巧みな戦略によって、溶岩のようなホワイト・ノイズを一般リスナーの耳にも届かせることに成功したのだ。
コバーンの詞世界は神がかった魔力に満ち、熱狂と憂鬱の両極を行き来する歌は、まんま苦悩する魂の叫びでもあった。そして歌を通じて自分を取り巻く世界になんとか意味をもたせようとするコバーンは、トップ40の売れ筋音楽では滅多にお目にかかれない真摯さを持ち合わせていた。
だが、理解なきカート・コバーン愛好者たちによって、彼の人生観/芸術観に潜むニヒリスト的な要素が安易な解釈の仕方をされてしまったのは残念としか言いようがない。おまけにそういった人々は、コバーンの自殺に直面して、あたかも自己破壊衝動が高貴なもののように取り上げた。リスナーの中でもどうしようもないクズ連中が、ニルヴァーナをアンチヒーロー的なロールモデルに仕立て上げようとしたが、その実像はまったく違ったのだ。
聴く者に違和感をもたらす音楽を作ること——これこそが彼らにとってすべてだったのだし、オリジネイターのリスクをいとわずにこの目標を達成しようとしていたのは明らかだろう。その過程で、図らずもいわゆる「オルタナティヴ」ミュージックの名前を一般に広めてしまい、結果として現代文化の風景全体を変革してしまったのだった。

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