BALLISTIK BOYZ、ベストアルバムは一人ひとりの良さが見える1枚に 第二章で届ける“本物”のパフォーマンス

2024年11月に初の日本武道館公演『BALLISTIK BOYZ LIVE 2024 "BBZ EVOLUTION"』を成功させ、第一章を完結させた7人組ボーイズグループ・BALLISTIK BOYZ。デビューから約6年、着実にステップアップしている彼らが、3月26日に1stベストアルバム『Chapter 1』をリリースした。全43曲が収録されており、彼らの軌跡を噛み締められる同作にはどんな思いが込められているのだろうか。本人たちにじっくり話を聞いた。(高橋梓)
「Animal」で確立したBALLISTIK BOYZのスタイル

ーー初のベストアルバムリリース、おめでとうございます! まずは、このタイミングでベストアルバムをリリースすることが、皆さんにとってどんな意味を持っているのかから教えてください。
日髙竜太(以下、日髙):僕たちは今年でメジャーデビュー7年目に入るのですが、去年の武道館ライブまでが第一章だったと捉えています。そこから第二章に入って、新しい挑戦や活動をしていきたいと思っていて。そういった中で、第一章を締めくくる形として今までリリースしてきた楽曲を一つの作品として残したいと思って、今回ベストアルバムをリリースすることにしました。それに、ずっと応援してくださっているBALLY'S(BALLISTIK BOYZのファンの呼称)の皆さんにとっても思い出に残るようなものをプレゼントしたいなとも感じたので、このタイミングでリリースすることにしました。
松井利樹(以下、松井):正直、あえてベストアルバムをリリースしなくても第二章に進むことはできるじゃないですか。でも、この先ずっとBALLISTIK BOYZをやっていくと考えた時、自分たちの軌跡を振り返れる物を目に見える形できちんと残しておきたいという思いがあって。メンバーとも話し合って、ベストアルバムをリリースすることに決まりました。

ーーまさに写真を挟む方の“アルバム”のような位置づけなのですね。そんな同作には43曲収録されていますが、BALLISTIK BOYZとしてのスタイルが確立したと感じる曲を挙げるとしたらどの曲になりますか?
奥田力也(以下、奥田):(食い気味に)「Animal」!
砂田将宏(以下、砂田):答えるの、早いな(笑)。
奥田:「Animal」は、「自分たちが表現したい音楽のスタイルだな」と制作している時から感じていました。リリースした後の反応もすごく良くて、「新しいBALLISTIK BOYZを見てもらえる」、「僕たちらしい音楽がリリースできた」と、僕自身も感じたのを覚えています。しかも、MVの世界観もBALLISTIK BOYZにしか表現できないものになっていると思うので、「Animal」なのかなって。
砂田:そうだね。周りの反応はシンプルに良かったです。実はデビュー前から準備していた楽曲なので、良い反応をもらえるのは嬉しかったですね。あとは、英語と日本語半々くらいの歌詞もBALLISTIK BOYZらしさなのかなとも思ったり。いろんなきっかけになった楽曲だと思います。
ベストアルバムだからこそ出せる一人ひとりの良さ
ーー他にもたくさん楽曲がありますが、「この曲はこのメンバーの良さが出ている」と思う曲をお伺いしたいです。
一同:いっぱいあるな〜!
砂田:僕は「N.E.X.T.」と「HIGHER EX」の(深堀)未来を挙げたいです。未来はゼロから曲を作れる人なんですね。一緒にニューヨークに住んでいる時から作っていましたが、「N.E.X.T.」で未来が作った楽曲がBALLISTIK BOYZの作品として初めて収録されて、「HIGHER EX」はシングルの表題曲にもなりました。僕たちはずっとセルフプロデュースできるグループになりたいと言っていますが、この2曲でそれがちゃんと形になったなと感じました。未来の作曲の才能もこれで広まったし、未来と言えば「N.E.X.T.」と「HIGHER EX」だなと思います。
深堀未来(以下、深堀):ありがたいことに、将宏が言ってくれたとおりだと思います。特に「N.E.X.T.」は自分にとっても思い入れがあるし、ターニングポイントになったと思っていて。曲を作ることでグループに対する責任感が強まりましたし、プロデューサー視点で物事も見られるようになりました。

ーーそんな深堀さんが選ぶ曲は?
深堀:「360°」の力也かなぁ。僕、将宏、力也の3人でニューヨークにいた時は、一緒にボーカルレッスンを受けていたんですね。BALLISTIK BOYZになってから、力也はラップを担当することが多いですが、「360°」では歌をやっているので懐かしさとともにやっぱり力也の歌もいいなと思いました。うん、良かったよ。
奥田:え……上から?
深堀:(笑いをこらえながら)歌、頑張ったんじゃない?
一同:めっちゃ上から(笑)!
奥田:「360°」、全力を尽くさせていただきました(笑)。でも、僕はラップ担当としてBALLISTIK BOYZに入りましたが、個人的にはいろんなことにチャレンジしたいと思っているので、可能性を広げられたのかなって。プロデューサーの方に新しい僕を見つけていただきましたし、自分自身もレコーディングを楽しめて、新鮮でした。BALLISTIK BOYZの新しい姿も見えている曲なので僕も好きな曲です。そんな僕は「Crazy for your love」を挙げます。
一同:誰、誰、誰!?
奥田:この曲はボーカル陣みんな上手いのですが、シンプルによっしー(加納嘉将)が歌で引っ張ってくれているなって感じていて。個人的によっしーの歌声が好きで、この楽曲で映えているなと思います。
加納嘉将(以下、加納):懐かしい曲だなー。この時期の曲を聴くと、癖をなるべく減らして歌おうとしているのがわかります。歌詞をストレートに伝えるために、シンプルに歌っていたんでしょうね。最初の頃から見てくださっているファンの方は、今の歌い方との違いも楽しんでいただけると思います。
ーーベストアルバムだからこその楽しみ方ですね。
加納:まさに。僕はどの曲を選ぼうかな……。
深堀:「In My Head」の利樹が好きって言ってたよね。ロミオ、ジュリエットのところ。
加納:あぁ、そうだった! 「In My Head」の利樹の……。
松井:言われたから言ってるじゃん! 嬉しくない!
加納:言われる前から言おうとしたよ(笑)。トラックに対して乗っている利樹のフロウに、すごくハマってしまって。ずっと好きだなと思っていました。
松井:そう言えば、当時の取材でも言ってくれてたね。じゃあ僕は「In My Eyes」のボーカルチームを選ぼうかな。全員歌声が違う感じがすごく好きで、ライブの時に裏で聴くのが楽しみだったんです。4人ともそれぞれの良さがあるし、それでいて声質がいい具合にマッチしているというのが「In My Eyes」でよくわかるんですよね。入れ代わり立ち代わり4人が歌う流れも気持ちがいいです。特に大サビに行くときの竜太くんのフェイクは、本人の声にマッチしていると思います。
日髙:嬉しい、ありがとう! 僕は「ANTI-HERO'S」の(海沼)流星にしようかな。流星は切れ味が良くて、力強くて、滑舌が良くて、言葉が入って来やすいんですよね。そのラップがこの曲で出ていると思いますし、パフォーマンスしている時も生き生きしているんです。気持ちが前面に出てパフォーマンスしているのも流星っぽくて好きですね。流星のイメージが強い曲です。
海沼流星(以下、海沼):僕もこの曲好きですね。しかも、ライブのオープニングにピッタリなんですよね。イベントやライブをやるたびに「1曲目は『ANTI-HERO'S』だよね」っていうくらい、登場にもってこいで。終わり方もかっこいいんですよ。なので、僕のラップと併せて、そういう部分にも注目してほしいですね。

ーーそんな海沼さんには砂田さんの良さが出ている曲をお聞きしたいです!
砂田:俺の中で2曲候補があるんだけど、どっちが来るかな〜。
海沼:将宏は「ラストダンスに BYE BYE」。
砂田:「Animal」か「SAY IT」かなって思ってた(笑)。
海沼:あ、俺は「Animal」か「ラストダンスに BYE BYE」かどっちかだった。
砂田:なるほどね。でも「ラストダンスに BYE BYE」もいいよね。
海沼:「ラストダンスに BYE BYE」は、将宏で始まって将宏で終わる部分が多いんです。将宏がこの楽曲を引っ張っているイメージが強いですね。あとはシンプルに将宏の声ってすごく色気があるので、曲に合っていて好きだなと思っていました。
砂田:ありがたい。なんか照れますね(笑)。
ーー挙げてくださった曲は、特に要チェックですね。皆さんの6年が詰まっている作品ですが、6年間での一つのターニングポイントは第一章が完結された日本武道館公演だと思います。武道館公演が終わって、気持ちやグループに変化はありましたか?
砂田:自信がついたよね。
一同:ついたねぇ〜。
砂田:僕らの中で武道館はネクストステージだったのですが、そこに行くまで本当に長い時間がかかりました。やっと行くことができて、しかもありがたいことにチケットが即完売、ライブも自分たちが納得のいく内容を作れて、本番もやりきれて、周りの評判も良くて。そういった様々なことを鑑みて、「ちゃんとネクストステージに行けたんだ」と自信になりました。
日髙:メジャーデビューをして5年の集大成を見せるつもりでライブをしたのですが、メンバーそれぞれが培ってきたものがいろんな場面で出ていたなと感じました。全員がグループを引っ張っていこうと思って、それぞれが主役になろうとしているのがいいなと思いましたね。DVDで映像を確認していても、それが出ていたと思います。
ーー2月12日にリリースされたLIVE DVD&Blu-rayでも、確認できそうですね。
日髙:そうですね。デビューしたての頃じゃ考えられない姿が映っていると自分たちでも思っています。