チャン・グンソクは“それでも”ステージに立ち続ける 『Curtain Call』で綴った想い、歩みを止めない姿

チャン・グンソクが4月9日に、ニューシングル『Curtain Call』をリリースした。本作は、昨年のアルバム『Day dream』以来、約1年2カ月ぶりの新曲となる。
表題曲「Curtain Call」は、チャン・グンソクが作詞を手掛けたバラード曲。ステージが終わった瞬間に感じる温かな記憶と名残惜しい感動を失恋と重ね合わせているのは、舞台の上に立つ身である彼らしさを感じる。冒頭、チャン・グンソクの甘く低い声とピアノの音だけで、自身の切なさを再確認するかのような歌声を響かせると、そこから徐々に様々な楽器が重なっていき、現実を突きつけられ心が高ぶってゆく様をドラマチックに表現している。FANCLUB限定盤には、「Curtain Call」の韓国語バージョンが収録されているが、チャン・グンソク自身が書いた韓国語詞のほうが少し直接的な表現になっているようなので、その違いを比べてみるのも面白いかもしれない。
CDは6形態がリリースされる。その全形態に収録されるのが、表題曲「Curtain Call」と「ON MY WAY」となる。軽やかで爽やかなポップロック曲「ON MY WAY」も彼自身が作詞を担当しているが、こちらは「Curtain Call」から一変して、未来へのポジティブな想いを歌っている。
そのほか、初回限定盤A/B/C、FANCLUB限定盤には、上記2曲に加えて〈いつまでも そばにいてほしい〉と語りかけるように歌う優しいラブソング「Eternal」、そして通常盤、UNIVERSAL MUSIC STORE限定盤には明るいサウンドに乗せて別れを歌う「Another Story」が収録されている。
冒頭で述べたように『Curtain Call』のリリースは、チャン・グンソク名義としては、約1年2カ月ぶり。ではその間彼は何をしていたのか、振り返ってみよう。
2024年はまず、2月にアルバム『Day dream』をリリース。その直後に、大阪と東京のアリーナ会場でソロとしては約6年ぶりのライブ『2024 JANG KEUN SUK LIVE SCENE #2』を開催。ライブタイトル『SCENE #2』は、兵役、コロナ禍を経て始まる“第2章”を意味するという。コロナ禍が明けてからの彼は、ソロ活動ではなく、ダンスミュージックユニット・TEAM Hやバンド・CHIMIROといったユニット活動を行ってきた。その理由を「声帯結節を患い、もうソロ公演はできないかもしれないと思った。1人でステージに立つことへの怖さがあった」とライブのMCで語ったのだ。
衝撃的な告白だったが、病気に対する恐怖を和らげてくれたのがCHIMIROでの活動だったようだ。CHIMIROとは、チャン・グンソクを筆頭に、今回の『Curtain Call』でも制作をともにしているチェ・チョロと、チャン・グンソクに楽曲提供をしたこともあるギタリスト兼作曲家のアン・ジフンの3人からなるバンドだ。CHIMIROというバンド名は、韓国語で“趣味で”を意味するように、商業的成功を目指さず、自分たちがやりたい音楽を追求することを目的に結成された。
普段は大きな会場でライブを行うチャン・グンソクだが、CHIMIROではライブハウスで歌う。2023年に日本全国8都市のライブハウスを巡る『CHIMIRO 2023 JAPAN TOUR』で本格的に活動を開始し、2024年にも4月から5月まで日本全国6都市を巡るライブハウスツアー『2024 CHIMIRO in Japan』を開催している。ツアーで地方を訪れた際にはサプライズで路上ライブを行うなど、韓流スターのチャン・グンソクではなく、いちバンドマンとして音楽を純粋に楽しんでいた。年末にはKT Zepp Yokohamaで2日限りのスペシャルライブ『The Rockcember with Chimiro』を開催。YouTubeにアップしたドン・キホーテの店内ソング「Miracle Shopping」のロックカバーを披露したことも話題となった。