中務裕太、日本酒から学ぶ「ものづくり」の極意 橘ケンチから受け継ぎ、伝えていきたいメンバーは?

中務裕太、日本酒から学ぶ「ものづくり」

 GENERATIONSの中務裕太が、明治29年創業の岩手県大槌町にある酒蔵「赤武酒造」とコラボレーションした日本酒『AKABU 中務 純米大吟醸」を4月5日に発売した。

 「若い世代にも日本酒を飲んでほしい」という想いから実現した中務と「赤武酒造」とのタッグは、今年で2回目。今回も中務は酒蔵に足を運び、洗米から蒸米、仕込み、搾りまで携わり、パッケージデザインにもアイデアを出して完成させたという。

 即完売となった前作同様、入手困難となることは間違いなさそうな第二弾の『AKABU 中務 純米大吟醸』。そこに込められた並々ならぬこだわり、そして『AKABU 中務 純米大吟醸』をきっかけに広がった新たな夢について、じっくりと語ってもらった。(佐藤結衣)

世界に誇る日本の文化を、一つは知っておきたくて

――もともと「赤武酒造」の『AKABU』ファンだったそうですね?

中務裕太(以下、中務):はい、もともと僕はお酒は何でも飲む派なんですけど、日本酒好きな母に勧められて『AKABU』を知りました。まずパッケージが兜のデザインでカッコいいなというのが第一印象でした。いわゆる「THE日本酒!」という見た目じゃないところがすごくいいなと。それから飲んでみると、後味がスッキリとしているのに、お米の味はしっかりあるっていうところも気に入りました。どちらかといえば、日本酒って重い飲み口を想像されることが多いんですけど、それが苦手っていう人にはぜひ『AKABU』を試してもらいたいですね。僕はキンキンに冷やして飲むのが好きです。あとは魚が合うんで、刺し身をつまみにして飲むのもおすすめです。昔はひとりで一升瓶を空けちゃうこともあったくらい。それぐらいおいしくて飲めちゃいます(笑)。今は身体づくりをしているので我慢していますが、その頑張ったご褒美として飲むのを楽しみにしているところです。

――このプロジェクトは、EXILE、EXILE THE SECONDの橘ケンチさんが企画・原案された日本酒漫画『あらばしり』の連載が縁で立ち上がったとお聞きしました。

中務:「『AKABU』にハマっているんです」という話をケンチさんにしたら「じゃあ、今度一緒に酒蔵に行こうよ」と誘っていただいて。ケンチさんがずっと日本酒で全国を回っているのを見てきましたし、日本人に生まれたからには世界に誇る日本の文化を一つくらいちゃんと知っておきたいなという思いもあって、勉強させていただこうと思いました。それから、いろんなお店に連れて行ってもらって、日本酒と料理のペアリングを教わりました。それこそ『あらばしり』に出てくるお酒たちを一通り並べて、それにご飯を合わせるっていうのもやったんですよ。

――『あらばしり』では日本酒が擬人化されて登場しますね。そのイメージはいかがでしたか?

中務:みんなイメージ通りでした(笑)。日本酒をエンタメにしようってアイデアが面白いですよね。日本酒の味って「甘口」とか「辛口」って言われてもなかなかイメージがつかないところもあると思うんですけど、キャラクターになることですごく個性がわかりやすくなると思いました。

――では、中務さんがコラボした『AKABU 中務 純米大吟醸』は、どんなキャラクターになりそうでしょうか?

中務:スラッとしてる感じですかね。顔の感じとかもどちらかといえば男らしくて、眉毛もキリッとしてて……あと、めちゃくちゃ踊ると思います。

――中務さんそのままですね(笑)。

中務:アハハハ。

日本の伝統を守る、プロのものづくりから受けた刺激

――コラボ第1弾のときは、どのような反響が届いていましたか?

中務:みんな「めっちゃ美味しい」って言ってくれました。「飲みやすい」っていう声もすごく嬉しかったです。なかでもEXILEのTETSUYAさんがいつも飲む場になると「裕太のやつ飲もうよ。やっぱり作った本人の目の前で飲むとうまいな」って言ってくださって(笑)。僕もみんなで飲むとより美味しく感じますし、そう言ってもらえたときは本当に作ってよかったなと思いました。

――今回の第2弾は、どのような経緯で実現したのでしょうか?

中務:もう前回のときから「次もまたやりたいですね」「またこの時期に」っていう話はさせてもらっていたんです。第1弾で好評だった後味のスッキリさは残しつつ、4月なのでフレッシュさを増して、さらにお米の味を凝縮させた味わいを目指しました。

――そうした味の違いは、どの段階でできるものなのでしょうか?

中務:主にお米の磨き具合ですね。とはいえ、僕はまだどのくらい磨いたらどんな味になるというところまではわからないので。6代目・杜氏の(古舘)龍之介さんから「ここをこうすればこうなる」っていうのを教わりながらやっています。

――古舘さんとは同世代だそうですね?

中務:そうなんです。なので、やりとりも最初からフランクに始まりました。僕がInstagramのストーリーを上げたタイミングでメッセージをくださったので、「ありがとうございます。今度酒蔵行かせてください」みたいな感じで。直接お会いしたときも「日本酒のイメージを変えたい」「もっと若い人に飲んでほしい」という熱い思いに共感して、「ぜひ一緒にやりましょう!」と意気投合しました。

――日本酒造りのすべての工程を体験されてみていかがでしたか?

中務:やっぱり大変なことが多いですね。例えば、お米を洗うときは寒い冬の時期に冷たい水でやるんですよ。お湯を使うわけにもいかないので、手がキンキンに冷えます。逆に、麹を仕込む部屋は40℃以上あって、その寒暖差がすごかったですね。手作業で温度を下げていくんですけど、一気に下げ過ぎちゃうとまた味が変わってしまうので、「程よく」っていうのが本当に難しくて。大量のお米を相手に、繊細な作業が求められるのも大変だなって思いました。

 同時に、日本の伝統を守りながらものづくりをしていく、そのこだわりに対するリスペクトがより高まりましたね。みなさん本当に一つひとつの作業がとても丁寧で、まさに“プロ”の姿勢なんですよ。それは見ていてすごく刺激をもらいました。僕自身もまだまだ勉強をしながらですけど、これから一生懸命やれることをやっていこうと気持ちが引き締まる思いでした。

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