One World、Nirvana Tribute、PlayOn Fest……オンライン上に引き継がれた海外チャリティーライブの現在

 いつの間にか「STAY HOME」という言葉が生活の中に溶け込み、ライブハウスや映画館にでかけた日々を遠い昔のように感じる。新型コロナウイルスの感染拡大によって、世界中のあらゆる人々の日常生活は大きく変わってしまったのだ。そんな中、スーパーマーケットの販売員や配送業者、清掃員など人々の暮らしに不可欠な職業に就く人たちを「エッセンシャルワーカー」「フロントラインワーカー」と称し、感謝の気持ちを表す動きが広まっている。とりわけ、新型コロナウイルス治療の最前線で闘う医師や看護師ら医療従事者にスポットライトが当たっており、様々な支援活動が展開されている。この動きは音楽業界においても例外ではなく、医療従事者への支援を目的としたチャリティーライブが広がりつつあるようだ。

 WHO(世界保健機関)と世界規模の課題の解決に取り組む非営利団体Global Citizenが主催し、レディー・ガガがキュレーターを務めたチャリティーライブ『One World:Together At Home』がその筆頭だ。医療現場の最前線で闘う医療従事者を讃え、支援するために開催されたこのチャリティライブはYouTubeなど各種SNSをはじめ、テレビでも放映され、ビリー・アイリッシュやテイラー・スウィフト、リゾなどの人気アーティストから、ポール・マッカートニーやスティーヴィー・ワンダー、エルトン・ジョンといったレジェンドまで多くのトップアーティストが自宅から世界中へパフォーマンスを届けてくれた。なかでも、「You Can’t Always Get What You Want」を演奏したThe Rolling Stonesのパフォーマンスは大きな話題を呼んだ。オンライン会議ツール「Zoom」さながら、4分割された画面に最初に登場したのが、ミック・ジャガー。アコースティックギターをかき鳴らし、歌い始める。続いてキース・リチャーズとロン・ウッドのギターを弾いている姿が映し出されるのだが、チャーリー・ワッツのカメラがオフのままになっている。ようやく、チャーリーが映し出されると、なんとエアードラムをしているではないか! 機材ケースやソファーを完璧なタイミングで叩くユーモアあふれる姿に思わず口もとが緩んだのは筆者だけではないだろう。プレイベントも含め、8時間に及んだこのイベントでは、1億2,790万ドル(約138億円)の支援金が集まったと発表されている。

Lady Gaga performs “Smile” | One World: Together At Home
The Rolling Stones perform “You Can’t Always Get What You Want” | | One World: Together At Home
ポスト・マローン『Hollywood’s Bleeding』

 100人以上のアーティストが参加した『One World:Together At Home』だが、それとは対照的にひとりでチャリティーライブを配信したのが、ポスト・マローンだ。ポスト・マローンは「WHOのための新型コロナウイルス感染症連帯対応基金」への募金活動として、かねてより大きな影響を受けたことを公言しているNirvanaのトリビュートライブを行った。この知らせは故カート・コバーンの妻、コートニー・ラブの耳にも届き、彼女はInstagram上でこの活動への賛同を表明し、楽曲の使用について許可を出している。自宅から約1時間に及ぶライブを配信したポスト・マローン。Nirvanaへの溢れんばかりの愛を抑えきれない様子で、終始力強く演奏する姿が印象的だ。このライブのために駆けつけたトラヴィス・バーカー(blink-182)のパワフルなドラムとの相性も素晴らしく、まるでガレージバンドのような熱量の高いグルーブを見せつけた。彼の額に曲名のタトゥーが彫られている名曲「Stay Away」をはじめ、計15曲を披露し、興奮冷めやらぬうちにライブを締めくくった。

Post Malone x Nirvana Tribute – Livestream

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「音楽シーン分析」の最新記事

もっとみる