清水美依紗、映画『ウィキッド ふたりの魔女』で叶えた夢と等身大で歌う新曲「花占い」 多忙な日々を語る

清水美依紗が新曲「花占い」をリリースした。ドラマ『霧尾ファンクラブ』(中京テレビ/日本テレビ系)のオープニングでもある同曲は、友情と恋愛の狭間の繊細な心の揺れ動きが描かれた、軽快なナンバーに。4クール連続でのドラマ主題歌/オープニング・エンディングテーマ起用となる今、この「花占い」を清水はどのようにして歌ったのか。映画『ウィキッド ふたりの魔女』での吹替えはもちろん、ミュージカル出演などで多忙を極めるなか、話を聞かせてもらった。(編集部)
映画『ウィキッド ふたりの魔女』での吹替え抜擢で叶えた夢

――前回のインタビューから半年ほど経ちましたが、このところますます活躍が目覚ましいですね。
清水美依紗(以下、清水):ありがたいことに、「頑張ってきてよかったな」と思える機会が本当に増えていて。自分としても嬉しいお仕事や責任感を伴うようなお仕事をたくさん経験させていただいているなと思います。
――なかでも、映画『ウィキッド ふたりの魔女』でアリアナ・グランデ演じるグリンダの吹替えを担当したことは、ご自身としても大きな出来事だったのではないでしょうか。
清水:大きかったです。アリアナは私にとってロールモデルと言える存在ですし、彼女のことをいちファンとしてずっと応援してきましたから。しかも、このグリンダという役を演じることがアリアナにとって幼い頃からの夢だったことも知っているので、彼女がグリンダ役で出演するというニュースを聞いた時点で、まずファンとしてものすごく嬉しかったんです。そんな彼女が夢を叶えた作品で、彼女が演じている役の吹替えを担当できるなんて……なんて言うんでしょう。「感慨深い」というだけでは言い表せない、言葉を超えた特別な思いがありますね。
――おそらく、かつての美依紗さんに「将来こういうことが起こるよ」と言っても信じないレベルの出来事ですよね。
清水:絶対に信じないです(笑)! 16歳の時に『アリアナ・グランデ全国オーディション ~”#Ariガール”を探せ♥』に参加したんですけど、私、その時に日本のアリアナ公式アカウントに「いつかアリアナと共演するのが夢です!」というリプライを送っていたんですよ。友達かっていうくらいフランクに。そんなことを公式に対して言えるなんて、無知ってすごいなと思うんですけど(笑)。
でも、今回映画のジャパンプレミアの会場でアリアナと同じステージに立つことができて。しかも、日本のアリアナ公式アカウントで「実はこんなストーリーがありました」というポスト(※1)もしていただいたんです。まさかこんなことが現実に起こるなんて、過去の自分に「本当に会えるよ!」って伝えてあげたいぐらいです。
――これだけのビッグタイトルに携わって、しかも憧れのアリアナと肩を並べる経験をしたわけですから、相当な自信にもつながったんじゃないでしょうか。
清水:自信は……どうなんでしょう。宝箱に入れたいぐらい大切な経験になったことは間違いないですし、達成感ももちろんありましたけど、「自信がついたか」と言われると少し違う気もしていて。まだ映画が公開されて間もないですし(取材は3月中旬に実施)、あまり実感も湧いていないというのが正直なところですね。

――僕が美依紗さんの立場だったら、「あの『ウィキッド』に出たんだぜ」「アリアナの吹替やったんだぜ」と調子に乗ってしまいそうです(笑)。
清水:(笑)。もちろん「すごくいい映画だった」という声はたくさんいただいていて、それはとても嬉しいです。私は、“清水美依紗”の評価というよりは「“作品”の評価を上げたい」と思ってやっているところがあるんですよね。携わった作品を愛してもらうことが役者をやるうえでのいちばんの目的であって、そのために自分がどう向き合っていくか。それをしっかりまっとうした自分のことは褒めてあげたいなと思いつつ、それが“自信”と呼べるものにつながるのかどうかは、ちょっとまだわからないです。
――なるほど。そういう意味では、タイトルがビッグであるかどうかは関係ないんですね。
清水:まったく関係ないです。すべての仕事に対して同じ思いを持って、全力でやらせてもらっています!
――映画『ウィキッド ふたりの魔女』のみならず、この半年間で言うとミュージカル『レ・ミゼラブル』出演やワンマンライブ『Cherish」、『Roots」の開催、配信シングル「Finale」(テレビ東京系ドラマ24『家政婦クロミは腐った家族を許さない』主題歌)のリリースなど、目に見える部分だけでもかなり盛りだくさんでしたよね。心配になるくらい忙しいですよね。
清水:よく言われます(笑)。共演者さんたちからも「大丈夫?」と声をかけいただいたりして。「余裕!」と答えてます。
――余裕なんですか?
清水:日々すごく楽しいんですよ。もちろんフィジカル的には大変で、気づいたら床で寝ている時もありますし、急にエネルギー切れを起こす瞬間というのはあるんですけど、でもこれだけいろんなジャンルの仕事をさせてもらえるのはすごくありがたいことだなって。今は大変でも、のちのち絶対に「いい経験だった!」と思えるようになる――そんな確信があるんです。
――今はそういう時期ということなんでしょうね。まだ年齢的にも多少の無理は利くでしょうし。
清水:そう、無理しちゃうんですよね(笑)。
――今無理をしておくことで、少しずつ無理せずとも同じパフォーマンスを発揮できる術を身につけていこうとしている段階というか。
清水:エネルギーの使い方や分散のさせ方は、経験とともにうまくなっていきそうだなという予感はすごくあります。今は全部を100パーセントでやってしまうので、急にバタンッて電池切れちゃうんですけど(笑)。でも、それも含めて毎日とても楽しいです。
