サリー久保田の『我が愛しの歌謡曲』レビュー 純粋に歌謡曲を楽しむための重要な指南書

サリー久保田の『我が愛しの歌謡曲』レビュー

歌謡曲を純粋に楽しむということ

 最後になりましたが、僕も冒頭で述べた昭和歌謡マニアと同じく多数の歌謡曲の研究本を読んできた口なので、本書はある意味、目から鱗でした。音楽的な解釈ばかり気にしてレコードを聴き、耳年増になっていた僕は、「そうだよな、ただ純粋に楽しめばいいんだよな」ということを忘れていました。

 著者がすごいのは、コロナ前までは往年の歌手から現在の若手まで歌謡曲のコンサートに通っているというところです。伊東ゆかりや布施明、中森明菜などの近況がわかったのも嬉しく、なんとも優しい気持ちに満たされた一冊でした。

■書籍情報
『我が愛しの歌謡曲―昭和・平成・令和のヒット・パレード―』
吉川潮 著
定価:880 円+税
出版社:ワニ・プラス
公式サイト

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