宮本佳林が語る、マンガで学んだ表現の深み 「歌詞やセリフの裏にある感情の勉強になります」

宮本佳林が語る、熱いマンガ愛

「感情の答え合わせができるのが、漫画の魅力」


――バトルマンガ以外の作品で、気になったものはありましたか?

宮本:話題の『女神降臨』『先輩はおとこのこ』も面白かったです。『女神降臨』はデジタル感のある絵柄がストーリーに合っているし、「お化粧を落とした自分も好きでいてほしい」という気持ちを作者の方がよくわかっているのが伝わってくるから、女性人気がすごく高い、ということに納得しました。

 『先輩はおとこのこ』は、本当にいろんなところに共感する作品で、大好きになりました。主人公で、かわいいものが好きな“男の娘”の(花岡)まことくん、そのまことくんを女の子だと勘違いして告白した後輩の(蒼井)咲ちゃん、まことくんの幼馴染で、密かに思いを寄せていた、りゅーじ(大我 竜二)くん。誰もがきっと一度は感じたり、経験したことがある思いが、この3人にうまく散りばめられていて、全員に感情移入してしまって。お互いに大切な人でも、一緒にいることで必ずしも幸せになれるわけではない……みたいな、本当は大人になって気がつくことを突きつけられたり、切なくなるエピソードが多いですが、特にリアルタイムに学生の人たちが読むと、きっと勇気づけられる部分があると思います。

――12月30日に物語が完結したばかりで、ネタバレは控えますが、全員に幸せになってほしい、と願ってしまう作品ですね。

宮本:本当にそうなんです。まことくんは同性にも異性にも愛されるキャラクターだし、自分の思いを押し殺しながら、まことくんを傷つけないようにずっと守ってきたりゅーじくんも、なんて純粋ないい子なんだ!って思います。

――今回新しく触れた作品のなかで、今後の演技やパフォーマンスに活きてきそうなキャラクターはいましたか?

宮本:それこそ、『先輩はおとこのこ』のキャラクターたちは、新曲の「規格外のロマンス」にマッチしていると思いました。まことくんより、もしかしたらりゅーじくんの方が近いかな。恋愛って、相手のことを「別に好きじゃない」と否定している時期があると思うのですが、それを乗り越えた楽曲なんです。<傷つきたくないなんて 言ってられないわ>って。告白しようと決意して呼び出したわけでもないのに、気持ちが抑えきれず、不意に溢れ出してしまうような。

 あと、『先輩はおとこのこ』のなかで、実は一番共感するのは咲ちゃんかもしれません。誰も心配させないように、自分はいい子でいなければいけない……って、どんなことでも笑顔で飲み込んでしまう。私は咲ちゃんのように複雑な家庭環境ではなくて、わがままも言ってきましたが、一人っ子で喧嘩もしたことがないし、お仕事もさせてもらうなかで、「大人がいうことは守らなきゃいけない」という感覚がとても強かったんです。ピーマンやニンジンが本当は嫌いなのに、「おいしい!」って飲み込んだり。笑顔でいることが苦しいときもきっとあるし、咲ちゃんを見ているといろんなことを思い出して、応援したくなります。

 演技でも、歌でも、パフォーマンスをするときって、「うれしい」とか「悲しい」という感情をストレートに表現するのではなく、まさに、笑顔の裏にどんな気持ちがあるのか、苦しい気持ちを抱えてどんな表情を作って、周りの人にどう思われたいのか……ということまで考えるのが大事だと思うんです。そういう意味で、自分がどんな思いを抱いていても、周りの人の気持ちを明るくする振る舞いができる咲ちゃんは、芸能人に向いているな、と思います(笑)。でも、そのなかで彼女の心は削られていて、そういうことがきちんと表現されているのも、『先輩はおとこのこ』の素敵なところですね。


――確かに、生きているなかで、ただ楽しいだけのことも、悲しいだけのことも少ないかもしれませんね。

宮本:そう思うんです。例えば、悲しいけれど笑っている、という表現を自然にするのは、実写のドラマや映画だととても難しいですよね。自然なら自然なほど、観ている人には心情の部分が伝わらないかもしれない。そのセリフの裏にはどんな思いがあるのか、ということを考えるのもとても楽しいと思うのですが、マンガはそこがナレーションや心の声として表現されるから、その場で答え合わせができるんですよね。それが楽しいし、表現する上で勉強にもなっています。

――今回挙げていただいた作品を読みつつ、宮本さんのパフォーマンスを見ると、より深いところの表現に気づくことができるかもしれませんね。最後に、ソロデビューを経て、2022年はどんな年にしたいですか。

宮本:コロナ禍もあり、いろんなことを先延ばしにせざるを得ない状況のなかで、誕生日の12月1日にソロデビューさせていただけたのは、本当にありがたいことだと思っています。CDを何枚売るとか、どんな会場でライブをするとか、そういう目標も大切かもしれませんが、これから先、グループを卒業して歌やパフォーマンスの道に進む後輩もいると思うので、まずは何より、私がここで頑張ることで、勇気を持ってもらえるような存在になりたいなって思います。大好きなマンガのキャラクターたちのように、目標にしてもらえる人間になれるよう、日々頑張っていきます!

information

〇宮本佳林1stCDシングル
「どうして僕らにはやる気がないのか(2021)/氷点下/規格外のロマンス」発売中

<CD 収録内容>

・どうして僕らにはやる気がないのか(2021)
作詞:永井葉子 作曲:田仲圭太 編曲:宮永治郎
クリエーター集団 SCRAMBLES による、痛いくらいにストレートなメッセージソング。 2019 年にソロ活動をスタートした際に発表した作品で、今回はニューアレンジで 2021 年版としてリリース。

・氷点下
作詞・作曲:山崎あおい 編曲:浜田ピエール裕介
Juice=Juice 時代の宮本佳林の代表曲のひとつである「「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?」 をはじめとして、宮本佳林の叙情と熱情に抜群の相性をみせる、山崎あおいによる真冬の切ないミディアムバラード。

・規格外のロマンス
作詞:西野蒟蒻 作曲・編曲:Caroline Gustavsson / Chris Meyer 編曲:Chris Meyer
スウェーデンのクリエイターチームによる、アメリカンポップなダンスナンバー。 宮本佳林のアイドル性も残した、キュートな楽曲。

〇「M-line Special 2022」
2/13(日)@大阪・松下IMPホール 出演
2/23(水・祝)@東京・めぐろパーシモンホール 出演

○「LINEマンガ祭 21-22」開催中


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開催期間:~2022年1月10日(月・祝)23:59
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キャンペーン期間中に「LINEマンガ」アプリで初購入となる作品の単行本を購入すると300マンガコインを還元。
 ※1作品につき対象となるのは1冊までで。
※まとめ買いをした場合、300マンガコイン還元の対象となるのは1冊まで。
 ※期間中、初購入となる作品を購入した場合、何度でも最初の1冊まで300コインを還元。
 ※333コイン以上の作品が対象。
開催期間:~2021年12月31日(金)23:59

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当選者の方には、リアルサウンドブックの公式Twitter又はリアルサウンド公式InstagramアカウントよりDMをお送りいたします。

※当選後、住所の送付が可能な方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。

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<応募締切>
2022年1月17日(月)23:59まで

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