アニメ化決定『ブルーロック』が“史上最もイカれたサッカー漫画”と呼ばれる3つの理由
「成功の再現性」を追求する
奇跡のシュートやジャイアントキリング、また主人公やチームメイトが覚醒し、更なる強さを手に入れるシーンは間違いなくサッカー漫画の見どころのひとつだ。『ブルーロック』にも奇跡的な勝利、そして覚醒するシーンが多数登場するが、本作ではそれらを偶然や奇跡で片付けるのではなく必ず「再現性」を求め、さらに高めていくのだ。
最後の力を振り絞って勝利した、たまたま勝利した......。 それらの勝利は『ブルーロック』では評価されない。求められるのはもう一度同じように勝利する「成功の再現性」なのだ。潔世一たちは、自分が勝利した時のプレーを極限まで分析して、勝利への方程式を作り上げていくのだが、これはある種サッカー漫画としての夢や面白さを壊すイカれた行為だ。けれど、この「成功の再現性」を追求する姿勢は、フィールドではなく現実社会で生きる私たちにとってかなり本質的で重要な考え方なのではないだろうか。
従来のサッカー漫画とは真逆のストーリーを描く『ブルーロック』は、最初の読み始めは明らかに異質でイカれた物語のように感じる。だが、戸惑いながらもエゴイストとしての頭角を現し心身ともに強くなっていく潔世一やストライカーたちの姿は輝いているし私たち読者の目にとても魅力的に映る。そして何より作中に登場するチーム論や考え方は現実社会を生きる私たちにとっても役立つものになっている。”イカれている”を通り越して新たなサッカー漫画としての地位を確立した本作が、2022年に放送されるTVアニメではどんな”イカれた”魅力を見せるのかが楽しみだ。