アニメ化決定『ブルーロック』が“史上最もイカれたサッカー漫画”と呼ばれる3つの理由
“史上最もイカれたサッカー漫画”の異名を持つ『ブルーロック』。コミックスの累計発行部数は400万部を突破し「週刊少年マガジン」の看板を担う作品として大きな人気を誇っている本作だが、なんと2022年にTVアニメ化されることが発表された。ますます大きな注目を集めている今だからこそ、本作が”史上最もイカれたサッカー漫画”と呼ばれている3つの理由を改めて紹介していきたい。
指導ではなく「実験」
「俺はここにいる300人の中から世界一のストライカーを創る実験をする」。これは、日本のW杯優勝を実現するために設立された育成寮「青い監獄(ブルーロック)」のコーチ・絵心甚八のセリフだ。そして、日本サッカーに必要なのは「エゴイズムにあふれるストライカーだ」と断言する彼の元に全国から集まった主人公・潔世一を始めとするストライカーたちは、彼が次々と突きつける選考に挑み己の中に眠るエゴイズムを開花させていく。
最後にボールを当てられた者が失格となる「オニごっこ」に始まり「総当たりグループリーグマッチ」や、人工知能のホログラムキーパーと戦う「BLUE LOCK MAN」といった潔世一たちが挑む選考の数々は、従来のサッカー漫画の指導とはかけ離れたまさに「実験」的な内容となっている。実はこの一つひとつの実験にストライカーの適正や個性を引き立てる要素が詰まっているのでぜひ注目してみてほしい。
求められるのは「圧倒的な個性」
サッカー漫画のみならずスポーツ漫画の魅力といえば、作中で描かれる仲間との助け合いや友情ではないだろうか。だが『ブルーロック』ではそんなものは言語道断、とにかく「圧倒的な個性」が求められる。
「強烈な”1”(個性)が仲間の指針になってその”1”(個性)を中心に勝つための戦略が生まれて・・・チームが生まれるんだ」これは、潔世一が「総当たりグループリーグマッチ」で戦う中で気付いた真理だ。サッカーとは、チームとは、みんなで力を結束するもの......。そんな従来の考えを真っ向から否定する『ブルーロック』は異名通りまさにイカれているが、その思考の過程は至って論理的で今までにない新たなチーム論を私たちに教えてくれる。