オリンピックで盛り上がる「卓球」を物語でも楽しみたい! 正統派から異色作まで、名作ライトノベル&小説を紹介

金メダルに沸く卓球を物語でも楽しもう!

卓球×合唱×魔神って? 野村美月『赤城山卓球場に歌声は響く』

『赤城山卓球場に歌声は響く』(ファミ通文庫)
『赤城山卓球場に歌声は響く』(ファミ通文庫)

 野村美月のデビュー作であり、第3回ファミ通エンタテインメント大賞で最優秀賞に輝いた『赤城山卓球場に歌声は響く』。女子大生たちが唄ったり温泉に行ったりと楽しくやっていた歌声サークルの1人が、突然学校に来なくなる。調べたところ、巫女服を着て卓球のラケットを握っていた。

 いったい何があったのか? というところから女子大生たちが卓球戦士となって戦う羽目になるというぶっ飛んだ作品を、楚々とした「文学少女」シリーズの作者が書いていたなんて……! 赤城山から那須高原を経て神宮球場まで続く卓球と合唱の旅をご堪能あれ。

スポーツを始めた理由に立ち戻ろう 吉野万里子『チーム!』

『チーム!』上(小学館文庫)
『チーム!』上(小学館文庫)

 技名は叫ばずゴスロリ服も着ないで卓球をする、ごく普通の小学生たちが主人公となった吉野万里子の『チーム!』シリーズ。ライトノベルより下の世代が対象となった児童文学だが、大人が読んでも卓球の面白さや奥深さに気づかされるところが多々ある。

 5年生とペアを組むことになった6年生のキャプテンが、部活だけでなく家庭でも起こる難題を乗り越えようと頑張る「チームふたり」や、全日本選手権ベスト8の経験を持つ大滝コーチが練習に来なくなり、新キャプテンが悩む「チームあした」など、シリーズ作品が文庫3冊にまとまっている。

 選手として挫折し悩んでいた大滝が、卓球に夢中な小学生を見てコーチを引き受ける経緯が、スポーツをするのは“金メダル”のためでなく、“楽しいから”なんだという原点を思い出させてくれる。

■書誌情報
『ピンポンラバー』(ガガガ文庫)
著者:谷山走太/イラスト:みっつばー
出版社:小学館

『ゴスロリ卓球』(電撃文庫)
著者:蒼山サグ/イラスト:マナカッコワライ
出版社:KADOKAWA

『赤城山卓球場に歌声は響く』(ファミ通文庫)
著者:野村美月/イラスト:依澄れい
出版社:エンターブレイン

『チーム!』上(小学館文庫)
著者:吉野万理子
出版社:小学館

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