2024年大河『光る君へ』は現代人こそ共感できる物語に? 内田ゆき制作統括に狙いを聞く
2024年NHK大河ドラマ『光る君へ』に柄本佑が藤原道長役で出演することが発表された。主人公・紫式部を演じる吉高由里子、脚本を手掛ける大石静とは『知らなくていいコト』(日本テレビ系)で相性の良さを証明しており、これ以上ない適任とも言えるだろう。
そんな本作の制作統括を手掛けるのは、『アシガール』、連続テレビ小説『スカーレット』、『わげもん~長崎通訳異聞~』など、NHKドラマの中でも評価の高い作品を送り出してきた内田ゆき。
『アシガール』では黒島結菜、伊藤健太郎(当時・健太郎)、『スカーレット』では戸田恵梨香、松下洸平、『わげもん』では永瀬廉と、主要キャストたちの魅力を十二分に発揮させていた。
数々の名作を手掛けてきた内田だが、1年にわたる大河ドラマではどんな作品を生み出してくれるのだろうか。“大河ならでは”の作品作りについて、内田は次のように語る。
「朝ドラも長いですが、大河ドラマはさらに倍の放送期間があります。長い期間取り組むからこそ、登場人物の人生をより深く扱えると思います。“大河”とつくだけあって、主人公・や周囲の人物たちの物語だけにとどまならない、社会全体を巻き込んでいくうねりのような部分をエンターテインメントとして見せていければ。久しぶりの女性が主人公の大河ドラマであること、平安時代を舞台にしていることなど、大きなチャレンジではあるので、期待に答えるべく楽しんで制作できればと思います」
NHK公式サイトには、「ツインソウルメイト」「シングルマザー」「キャリアウーマン」など、あらすじや大石静のコメントにはキャッチーな言葉がならぶ。ここにも内田はある意図があると語る。
「平安時代という大河ドラマで2番目に古い時代を今回は扱います。制作陣もどこか遠い時代なのかと思いスタートしたのですが、調べれば調べるほど、当時を生きた方々もいまの私たちと同じような喜びや悲しみを抱えていたんだと感じました。いまを生きる方々が身近に感じられる要素を史実としての彼らも持っていたし、この物語でも描いていきたいと思っています。そんな思いもあり、いまの言葉もあらすじなどに使用いたしました。絵巻物の中の世界ではなく、視聴者の皆さんが心を添わせて楽しんでいただけるものにできたらと思っています」