2024年大河『光る君へ』は現代人こそ共感できる物語に? 内田ゆき制作統括に狙いを聞く

『光る君へ』制作統括に狙いを聞く

 制作発表会見時には、脚本の大石が「セックス&バイオレンス」と本作を評していた。紫式部が手掛けた愛憎劇とも言える『源氏物語』も本作にはどのように絡めてくるのだろうか。

「日曜日20時、家族みんなで観ていただきたいという思いはあるので、“ラブシーン”を丹念に描くということは目的ではないです。ただ、この時代だからこそのある情念や衝動は映像だからこそ見せるものがあると思うので、その点には挑戦したいなと思っています。あくまで紫式部の物語であり、『源氏物語』を描くわけではないので、毎話劇中劇があったり、朗読シーンがあったりする形は考えていないです。主人公の紫式部の内面が『源氏物語』に表れて、それが反射してくるというふうに描けないかと思っています。実物の光源氏が出てくるということも考えていないです」

柄本佑、吉高由里子

 紫式部とともに物語の中心となるのが藤原道長。柄本佑による道長はどんな人物になるのだろうか。

「道長を誰に頼むかと考えたとき、“生々しい男性”を感じたいという思いがあり、“アイドル”的な美しさだけではない、いろんな魅力が溢れ出る方にお願いしたいという思いが強くありました。候補は何人もいたのですが、そんな人間を演じられるのは柄本さんしかいないでしょうと。脚本の大石さんも『セクシーよね。柄本さんなら絶対に信頼できる』と。“ワクワク”というよりも“ドキドキ”させてくれるようなキャラクターに作り上げていただけるのではと思っています」

 紫式部のライバル・清少納言をはじめとした宮廷に登場する女性キャラクターや、代替わりしていく天皇たちをどんな俳優が演じるかも今後の気になるところ。『鎌倉殿の13人』が新たな鎌倉時代のイメージを構築したように、2024年は“平安”ブームが巻き起こりそうだ。

参照

https://www.nhk.jp/g/blog/c2iq1z7o2qac/

■放送情報
『光る君へ』
NHK総合にて、2024年1月より放送予定
出演:吉高由里子、柄本佑
作:大石静
制作統括:内田ゆき、松園武大
プロデューサー:大越大士、高橋優香子
演出:中島由貴、佐々木善春、中泉慧、黛りんだろうほか

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