吉高由里子、脚本・大石静の“パワーワード”に驚き 「鮮やかな大河ドラマになったら」
2024年大河ドラマの制作・主演発表会見が5月11日にNHK放送センターにて開かれ、主演の吉高由里子、脚本の大石静、制作統括の内田ゆきが登壇した。
タイトルは『光る君へ』。『源氏物語』の作者・紫式部の半生を描く物語で、主人公・紫式部を連続テレビ小説『花子とアン』でヒロインを務め、大河ドラマ『篤姫』にも出演していた吉高が演じ、連続テレビ小説『オードリー』や大河ドラマ『功名が辻』、さらに『知らなくていいコト』(日本テレビ系)にて吉高とタッグを務めていた大石が脚本を担当。連続テレビ小説『スカーレット』などを手がけた内田が制作統括を務める。
紫式部をドラマの主人公として取り上げるのは、NHKとしては初。タイトルの『光る君へ』は、『源氏物語』の主人公・光源氏の物語に実際に書かれている言葉だ。内田は「『源氏物語』がどのように生まれていったかということ、紫式部に生涯影響を与える男性・藤原道長との関係を軸に描いていきたいと思います」と大まかな物語構成を説明し、「紫式部と同じように、想像の翼をはためかせて、楽しく観られるストーリーを平安の煌びやかさの中で大切に作って放送していきたいと思います」と挨拶する。
紫式部は生没年も不明で、多くがベールに包まれた女性。『紫式部日記』として日記を残しているが、そこに自身の本音は書かれていない。文献の少なさから一見、紫式部を主人公として大河を描いていくのは無謀にも思えるが、大石はそこを逆手にオリジナルとして構築できる、挑戦しがいのある作品だとし、「人生最後の賭けだと思って、一か八かでお引き受けしました」「勝手にでっち上げて膨らまして」と意気込む。
これまでの大河はお馴染みの歴史的人物や出来事を楽しむパターンがほとんどであるが、今回はそれらとはだいぶ趣が違う大河になりそうだ。「愛と執着と憎しみと、最後までツインソウルのように絡み合う2人の感情を描いていきたいと思っています」「藤原家が摂関家として権力を誇った王朝の、山崎豊子『華麗なる一族』と映画『ゴッドファーザー』を足して3倍にしたくらいの権力闘争」「みなさんの驚くような“セックス&バイオレンス”を描きたい」と大石のキャッチーなパワーワードの連続に、記者陣だけでなく、主演の吉高も驚きを隠せない。
少々誤解を招きそうな“セックス&バイオレンス”に大石は「紫式部と藤原道長は夫婦にはならないけど、心身ともに関わりあった人で、人間的関わりが『源氏物語』だけでなく、宮廷内を動かしていく」とさらにコメントし、内田も「平安時代は雅で優雅で静かな時代と捉えられているんですけど、おっしゃっていたような権力闘争があったり深い情愛があったり、そういうものを大切に描いていきたいと思っています」と表明した。