大島美優の『おむすび』再登場なぜ話題に? 近年の朝ドラと比較してわかる“異例”さ

大島美優、『おむすび』再登場の“異例”さ

 NHK連続テレビ小説『おむすび』の第24週に、歩(仲里依紗)の人生に大きな影響を与えた親友で、震災で他界した真紀(大島美優)によく似た田原詩が登場する。詩は栄養失調で倒れ、結(橋本環奈)が勤める病院に入院してきた少女。真紀役で視聴者の心をつかんだ大島が、別のキャラクター役を演じることで話題を呼んでいる。

 歩と仲良しで、2人でギャルになることを誓い合った真紀。まだ幼かった結にも優しく接し、父・孝雄(緒形直人)を「日本一の靴職人」と誇らしく称していた彼女は、阪神・淡路大震災の際、倒れてきたタンスの下敷きになって亡くなってしまい、孝雄や歩は長い間、悲しみから立ち直れなかった。周囲を明るく照らすような、元気いっぱいの少女だった真紀を好演した大島は、歩が結にギャルになった理由を打ち明けた時のフラッシュバック的なシーンで、金髪のギャル姿の真紀を再度演じていて、もしも生きていたらと想像させ、視聴者の涙を誘った。

 その後は大島の出演はなかったが、第24週の予告に姿を見せ、結の「真紀ちゃんに似とうやろ」というセリフが聞こえる。公式サイトにも、「田原詩(たはら・うた)/大島美優/栄耀失調で倒れ、結の病院に入院してきた少女。阪神・淡路大震災で亡くなった歩の友人・真紀に似ている」という人物紹介が掲載されている(※)。これまでの朝ドラでは、主人公の幼少期を演じた子役が、後に主人公の子どもや孫、親戚役で再登場することはあったが、今回の大島のように別人での一人二役は珍しいケースだ。

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 近年の朝ドラを少し振り返ると、『舞いあがれ!』(2022年度後期)ではヒロイン・舞(福原遥)の幼少期を演じた浅田芭路が舞の娘役で再登場し、『らんまん』(2023年度前期)では主人公・万太郎(神木隆之介)の幼少期を演じた森優理斗が万太郎の孫役で、『ちむどんどん』(2022年度前期)ではヒロイン・暢子(黒島結菜)の幼少期を演じた稲垣来泉が同じく暢子の孫役で再登場を果たした。『芋たこなんきん』(2006年度後期)ではヒロイン・町子(藤山直美)の幼少期を演じた山崎奈々が、後に町子の姪・良美を演じていた。

 異例の別人での一人二役ケースとしては、『どんど晴れ』(2007年度前期)でヒロイン・夏美(比嘉愛未)の幼少期を演じた橋口恵莉奈が“座敷童”の役を演じたこともあったが、今回、大島が演じる詩は第24週の重要な登場人物になる模様。結の娘・花役は宮崎莉里沙から新津ちせにバトンタッチされており、詩と友達になるようだ。新津は、『エール』(2020年度前期)や『カムカムエヴリバディ』(2021年度後期)にも出演経験があり、朝ドラ出演は『おむすび』が3回目となる。

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