『クジャクのダンス』赤沢家が抱えていた秘密とは? 予測不能のドラマオリジナル最終章へ

『クジャクのダンス、誰が見た?』(TBS系/以下、『クジャク』)の話題を、思わぬ番組で聞いた。それは3月19日放送の『あさイチ』(NHK総合)。スタジオゲストは『クジャクのダンス、誰が見た?』で波佐見を演じる森崎ウィン。“朝ドラ受け”で博多華丸が波佐見のセリフ「粋でよろしく」を意識してのコメントを言い放つと、たまらず大吉が「はっきり言うけどね、あんたたち『クジャク』に踊らされっぱなしよ! 『おむすび』を観ようよ! 『クジャク』の話ばっかり!」と声を張り上げた。どうやら『クジャク』を観ていない大吉をそっちのけで、鈴木奈穂子アナウンサーも一緒になって『クジャク』の話に夢中になっていたようなのだ。
他局でも話題に挙がるほどの盛り上がりを見せている『クジャク』が、3月21日放送の第9話より最終章に突入。ついに本作の核心と言える真犯人が明らかになった。
「誰が、父を殺したのか? なぜ、父は殺されたのか?」
物語の始まりであり、心麦(広瀬すず)の知りたいという思いは春生(リリー・フランキー)の死がきっかけにある。春生がいる山下家に火が放たれた、クリスマスイブの夜。現場には遠藤友哉(成田凌)、鳴川(間宮啓行)、そして赤沢の妻・京子(西田尚美)の姿があった。

第9話終盤、舞台となるのは林川家。赤沢(藤本隆宏)を追って、心麦、松風(松山ケンイチ)、神井(磯村勇斗)が駆けつけると、そこには血を流して倒れている赤沢、鮮血で染まった包丁を握っている京子が座っていた。
第9話でポイントとなっているのは、鳴川の視点で物語が展開していくこと。前回、鳴川がリュックの男であり、検事・阿南(瀧内公美)の父親であることが明らかになったが、第9話では鳴川がなぜ心麦たちに近づいたのか、検事としてだけでなく、人としてもどこから道を間違えたのかが回想ベースで語られていく。春生の手紙に名前が記されていた冤罪メンバーの一人であり、最後の手がかりとされていた廣島育美(池谷のぶえ)が心麦を見て呼んだ「オカちゃん」という呼び名。京子の旧姓が「吉丘」であること。心麦=林川歌の母親が京子だという真実に近づいていくのに対して、鳴川はどんどん心麦たちから遠ざかっていく。

その遠ざかっていった先に辿り着くのが、警察署取調室。鳴川は憔悴し切った姿で、染田(酒井敏也)を殺害し、阿波山家に火を放ったことを自白する。しかし、「山下春生さんを殺したのは、私ではありません」と春生の殺害だけは否認。先述した山下家の火災現場の回想、そして林川家のシーンとあわせて、京子が真犯人であるということが確信へと変わるのをラストに持っていく、見事な構成だ。