『秘密~THE TOP SECRET~』第九を襲う試練 悪夢にとらわれた青木を薪は救い出せるか?

「良かった。薪さんのいる世界はまだ狂ってないんですね」
『秘密~THE TOP SECRET~』(カンテレ・フジテレビ系)第9話では、薪(板垣李光人)たち第九に試練が襲いかかった(※本記事はドラマ本編の内容に触れています)。
第九のサーバーに外部から何者かが侵入しようとした。その直後に薪の車に爆弾が仕掛けられる。狙いは薪が知るレベル5の機密データと考えられた。使われたパスワードから、薪は第九発足当時の捜査員である瀧本(眞島秀和)の関与を疑う。青木(中島裕翔)は雪子(門脇麦)を連れて家族との会食へ。しかし、それは悲劇の幕開けだった。
3話連続の最終章を観るには覚悟が必要かもしれない。原作を読んだ人間からすると、やはりと言うか、来るべきものが来たという心境で、それくらい避けて通れないエピソードである。本編をご覧いただきたいので詳述は控えるが、これまでの各話を通して見えてきた薪のキャラクターや青木との関係性、MRI捜査の功罪をあますところなく描いていくと思われる。以下、見どころを挙げてみたい。
薪について、感情をあらわにし、部下に暴言を吐く彼のエキセントリックさが何に由来するか視聴者には謎だったが、それは薪が抱える秘密に理由があった。薪が見てきた死者のMRI映像には職務上、表に出せないものもある。脳が失われてからその内容を知るには、薪から直接聞き出すしかない。あるいは薪の脳をMRIで見るか……。薪が極度のストレスにさらされて失神し、就寝中に機密情報を漏らすことを警戒するのも、このことと関係があるのではないか。
上司と部下の関係を超えて、互いに欠かせない存在となった薪と青木だが、最終章ではバディの絆が試される。ばらばらになったバディが、危機的な状況からどのように事態を打開するか注目してほしい。第9話で言うと、姉・和歌子(佐津川愛美)の家で事件に巻き込まれた青木は悪夢の渦中にいる。薪と青木をつなぐのは途切れそうな携帯の通話だけ。いつもは笑顔で包みこむ青木の心細そうな声を、薪はどんな思いで聞いただろうか。