サモ・ハンが語る、香港映画復活への思い 『トワイライト・ウォリアーズ』出演の裏話も

2025年1月17日から日本で公開され、映画ファンの間で大きな話題となっている『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』。本作は、アジア全域版のアカデミー賞と言われる「アジア・フィルム・アワード」の最優秀作品賞にノミネート、最優秀編集賞と最優秀美術賞を受賞し、人気だけでなく評価も高い。
そんな本作に香港の大御所サモ・ハンが友情出演している。同アワードで審査員長も務めた彼に、本作の日本でのヒットについてどんな思いか、そして香港映画の未来について話を聞いた。(杉本穂高)
近年のアジア映画の素晴らしさ

――本年度のアジア・フィルム・アワードの審査員長に選ばれたことに関して、どのような思いでしょうか。このような催しの意義についてどうお考えですか?
サモ・ハン:とても光栄ですし、こうしたイベントに参加することは映画界に対する貢献になります。自分が審査員長に選ばれたことについて、どう思うかというのは特にないですが、とても有意義なイベントに貢献できて嬉しく思っています。
――今回ノミネートされた作品を観て、現在のアジア映画のレベルに対してどう感じますか?
サモ・ハン:ここ数年のアジア映画は、本当に素晴らしいと思いますね。とても良い作品がたくさん出てきています。正直に言うと、イランやインドの映画は、これまで私はあまり観てこなかったので不勉強なところがあったんです。でも、観ているとすごく面白い。語り方が全然違いますから、最初は戸惑ったんですが、とてもユニークな作品がいろいろな国から出てきていますね。
――ご自身も監督であり俳優であるので、他者の作品を評価するのは難しいことですか?
サモ・ハン:難しくはないです、ただたくさんの作品を観ないといけませんから、大変です。とにかく、目と腰が疲れるんですよ(笑)。といっても、私の場合は1日に2本か3本くらい観るくらいですけどね。
――審査員長は、他の審査員の意見も聞いてまとめる立場だと思います。審査員の方々とどんな活発な議論を交わしましたか?
サモ・ハン:みなさん、それぞれの意見がありますからね。でも、全員一致するということは、ほとんどないわけです。意見が分かれることが当然なので、そこで議論を重ねて、最終的には多数決を取ることもあります。その意見を取りまとめるのは大変ですが、やりがいのある仕事です。選ばれた方も選ばれなかった方も、それぞれいろんな思いはあるでしょうが、みんなで一生懸命選びましたので、審査員長としては結果をウケれてくれてほしいと願っています。