津田健次郎、『1995』でさらなる新境地へ 初主演ドラマを機に振り返る“ツダケン”の奥深さ

津田健次郎、『1995』でさらなる新境地へ

 ついに実現した、というほかない。津田健次郎が主演を務めるドラマを目にする日が来たのだ。

 フジテレビ系にて3月21日に放送される『1995~地下鉄サリン事件30年 救命現場の声~』は、1995年3月20日に発生した「地下鉄サリン事件」を題材としたドキュメンタリードラマだ。地下鉄丸ノ内線、日比谷線、千代田線の車内で神経ガス・サリンが散布され、14名が命を落とし、約6000人が重軽傷を負ったこの事件。30年の歳月が経過した今、自らの命さえも危険にさらしながら懸命に救助活動に従事した人々の姿を、本作は救命ドラマとして緻密に描き出していく。

 津田健次郎といえば、声優、俳優、ナレーターと八面六臂の活躍を見せる才人だ。アニメファンである筆者にとっては、『薄桜鬼』の風間千景役や『家庭教師ヒットマンREBORN!』の大人ランボ役での名演が鮮烈に刻まれているが、近年は『ゴールデンカムイ』や『呪術廻戦』といった話題作だけでなく、『最愛』(TBS系)、『ラストマン-全盲の捜査官-』(TBS系)、『西園寺さんは家事をしない』(TBS系)など実写ドラマ作品にも次々と名を連ねる、まさに引く手あまたの存在となっている。

「津田健次郎53歳、少女漫画のヒーローやるってよ。」アフレコの裏側を大公開!【公式】

 あの渋くダンディな声はもちろんのこと、それだけでは語り尽くせないのが“ツダケン”の奥深さ。最近特に感銘を受けたのが、少女マンガ界の人気ヒーローを一人で演じ分けた企画「津田健次郎53歳、少女漫画のヒーローやるってよ。」での7役の神業ともいえる演技だ。ギャップ男子からクズ大学生、年上後輩男子まで、その変幻自在な声色の操りに触れると、53歳にして進化し続ける彼の表現力に感嘆せざるを得ない。近年では『徹子の部屋』(テレビ朝日系)や『A-Studio+』(TBS系)への出演も果たし、トーク番組で見せる本人の柔らかな人柄と演技への情熱を真摯に語る姿も印象に残る。

 フジテレビドラマへの出演は『うちの弁護士は手がかかる』第6話(フジテレビ系)以来、約1年半ぶり。いよいよ今回、『1995~地下鉄サリン事件30年 救命現場の声~』で待望のドラマ初主演という大舞台に立つことになった。

 舞台は朝のラッシュアワーの最中、無差別にサリンが撒かれ、混乱に包まれた東京。駅や病院では、一刻を争う状況の中、一人でも多くの命を救うべく、懸命な救命活動が展開されていた。

 津田が演じる病院の救命救急センター長・剣木達彦は、危機的状況下で「要請があった患者全員を受け入れる」という英断を下し、救命の最前線に立った実在の医師がモデルだ。公式サイトには「原因がサリンだと分からないギリギリの状況で、治療薬・PAMの投与を決断した」とある。当時の現場の様子を記した記事によると、この解毒剤は発症早期の投与でしか効果を発揮できず、まさに時間との闘いの中、数えきれない医療スタッフたちが信じられない速さで救命に全力を注いだという。

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