「嵐」が出版界に巻き起こした“伝説”ーー慣例を打ち破る「週刊誌重版」エピソードを振り返る

嵐の雑誌「重版エピソード」を振り返る

 アイドルグループ「嵐」が5月6日、来春開催予定のコンサートツアーをもってグループ活動を終了すると発表した。

 2020年12月31日に東京ドームで開催された『This is 嵐 LIVE 2020.12.31』をラストライブとし、活動休止に入っていた嵐。だが、そのライブは新型コロナウイルスの流行によって「ファンに直接パフォーマンスを見てもらい、感謝を伝えたい」という彼らの願いを叶えることはできなかった。

 5月12日、活動終了を発表してから初めて櫻井翔が『news zero』(日本テレビ系)に生出演。「発表当日の『zero』もリアルタイムで見ていました。放送でたくさんの街の方の声、想い、そして思い出を見ていて、とても胸にしみました。ありがとうございます」と視聴者に向けて語りかけた。そして多くの人から「さみしいです」という声も届いているということも。

嵐の凄すぎた雑誌「重版エピソード」

 そう、今はとにかく「さみしい」の一言に尽きる。何歳になっても変わらずに仲良くいてくれる5人に、終わらない青春のようなものを感じていたし、嵐がファンとともに作り出してきた様々な盛り上がりに“元気な日本“を見ていたのかもしれない。そんな嵐が私たちに届けてくれたものの一つに、異例の「重版」「増刷」で活気づいた出版業界も挙げられる。

『POTATO2018年10月号』(学研プラス)

 雑誌『anan』で初の重版がかかったのは、櫻井が表紙を飾った2010年1月20日発売の1693号のことだった。それまで週刊誌の発行サイクル的に、増刷する間に次の号が出てしまうことから「週刊誌の重版はありえない」とされていた。しかし、そんな常識を覆さずにはいられないほどの売上を記録。通常の2倍以上の部数を発行してもなお売り切れる書店が続出したという「伝説」を残した。

 もちろん、5人が揃ったときの注目度も桁違いだった。2018年、アイドル雑誌『POTATO』の創刊35周年記念特大号に嵐が表紙を飾った際には、ネット書店で表紙画像が掲載されるやいなや予約が殺到。次々に在庫切れになっていったことを受け、発売初日に増刷が決定することになったそう。

NHKテキスト『みんなのうた 2020年4・5月号』(NHK出版)

 また、2020年3月18日に発売したNHKテキスト『みんなのうた 4・5月号』も、発売前の段階で増刷が決定。初版は通常の6倍の部数を設定したようが、それでも間に合わず初版以上の部数を増刷したと言われている。

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