【漫画】埼玉なんか住みたくない…… 『タワマンに住んで後悔してる』が描く日常に根差したリアルな感情

【漫画】埼玉なんか住みたくない……

 エリート商社マンが起業に失敗し、家族で都落ち。新たな住居は埼玉だった――。「タワマン文学の先駆者」と言われる窓際三等兵が原作を務めた漫画『タワマンに住んで後悔してる』の数話がXに投稿されている。

 現代的かつリアルな物語を漫画に落とし込んだ作画担当は、グラハム子さん(@gura_hamuco)。11月には初の同人誌を携えて「コミティア」に参加するという彼女に本作の制作について聞いてみた。(小池直也)

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『タワマンに住んで後悔してる』(原作:窓際三等兵・漫画:グラハム子)

――Xに投稿した反響はいかがでした?

グラハム子:反響は結構いただけました。「いじわるママが転落してスカッとする」というのもあれば「エリート夫がこんなにアホなわけがない」、「サクセスストーリーが目立つけど、こうやって失敗しているケースもあるんだろうな」などなど。皆さん自分なりの読み方をしてくださっていて、感想を読むのが楽しかったです。

――作画を担当される経緯についても気になります。

グラハム子:編集者さんの方から「これを漫画にしませんか?」と言ってもらったのが最初です。実際に読んでみたら「これは面白い!」と思ったので喜んで担当させていただきました。

――原作のどこに惹かれたのでしょう?

グラハム子:本作には3家族が登場するのですが、それぞれの家族がそれぞれの悩みを抱えているところが魅力でした。人間らしさというか。外からは一見幸せそうに見えても、実は色々なことを抱えているというところが見どころだと思います。

――原作・窓際三等兵さんとは、打ち合わせもされるのでしょうか。

グラハム子:はい、何度かお会いしてお打ち合わせしました。それ以外はグーグルドライブなどを使い、原作をいただいて、ネームを書いて、修正をもらって……を繰り返し進めていきました。

――実際にタワマンに住んだ経験はおありですか?

グラハム子:ないんです。でもセミフィクション漫画は自分の体験のような作風が魅力なので、毎回主人公になったつもりで描いています。実際に住んでいる方に話を聞いたり、本やネットで調べたり、取材をして描いています。

――作画でご自分の感覚を入れている部分も?

グラハム子:基本的には原作に沿って描いています。ただ私が実際に2児の母なこともあって、ママ友とのシーンはよりリアリティが出るように工夫した箇所があります。例えば、原作は最初から下の名前で呼び合うのですが、ママ友って最初は名前で呼び合わず「〇〇君(ちゃん)のママ」から距離が縮まって名前呼びになる、という流れが多いんですよ。そこを加筆したり。

――もし自分が主人公のママだったら、どうしますか?

グラハム子:どうしましょうね。私自身は働くことに抵抗はないので、問題なくどこでも働くと思います。ただ生活レベルを一気に下げないといけないとなったらやっぱり辛いかもしれません。

 本作は東京から埼玉に行ったので田舎感がありますが、個人的には埼玉も充分に都会だと感じますけどね。愛されているからこそ、埼玉はこんな感じのネタにされやすいのかなと。

――今後の活動について最後に教えてください。

グラハム子:これからも色々な作品を描いていきたいです。今までエッセイやセミフィクション系が多かったので、これからは創作も描いてみたいと思っています。

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