漫画・アニメのコラボカフェが劇的変化? 味や見た目、名店コラボ……高いクオリティのメニュー豊富に

■コラボカフェのクオリティ、劇的に向上か
筆者は古くからのオタクなので、漫画やアニメのイベントで登場するコラボカフェにかなりの回数に足を運んできたのだが、ここ数年でコラボカフェは劇的に変わったと感じている。最大の変化は、とにかく食べ物が美味しくなったことではないだろうか。数年前まで、コラボカフェはインパクト重視のメニューが多かったのだが、最近では飲食店で食べる食事と遜色ないほど味がレベルアップしているのだ。
そのうえ、提供される料理の見た目も格段に完成度が高くなっている。キャラの造形をかなり忠実に再現したメニューも多く、ファンならずとも楽しめてしまうレベルだ。筆者は髙橋留美子の名作漫画『らんま1/2』のコラボカフェにも行ってみたところ、とにかくパフェもカレーもキャラのイメージそのもので完成度が素晴らしい。開発に手間が掛かっているのがわかる内容だった。
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山下和美が発起人なって立ち上がった「旧尾崎テオドラ邸」でも、展示に合わせてしばしコラボカフェを行っているが、こちらは料理を店内でしっかり調理する本格仕様だ。「愛と誠」のながやす巧の原画展では、作中に登場する喫茶店「窓」を再現していたほか、出てくる料理、スイーツの味がとんでもなく美味しかった。個人的に、今まで行ったコラボカフェではトップレベルの味だったと思う。
女児向けゲーム・アニメの『プリパラ』のコラボカフェでは、お米好きの登場人物・夢川ゆいにちなんで、秋田県羽後町のあきたこまちを実際に使用したメニューが登場した。羽後町は米どころ秋田県内でも有数のあきたこまちの産地として知られるだけでなく、その品質の高さでも有名だ。この企画は、『プリパラ』と羽後町がコラボを行ったことをきっかけに実現したものである。
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■アニメのファン以外も訪れる
コラボカフェを訪れる客層も変化した印象を受ける。最近、いろいろな店を訪れて目立につくのはカップルの姿である。また、家族連れも見かける。実際にコラボカフェで話をきくと、特定のアニメのファンではない人でも、「料理がかわいい」「SNS映えする」ということで、気軽に来店する人が多いようだ。
もちろん、アクリルスタンドやぬいぐるみを抱えた熱烈なファンの人たちも目立つ。そのこだわりは凄まじいものがある。ぬいぐるみのセッティングの仕方も手際よく、撮影技術の高さもプロ並みだ。写真を撮影するとSNSにすぐ投稿し、フォロワーたちと共有している。推し活文化の盛り上がりによって、コラボカフェは重要度が増しているし、今後さらなる進化を遂げるのは間違いないだろう。
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