東京創元社、創立70周年を記念する豪華企画が目白押し! 2024年新刊ラインナップ説明会レポ
ファンタジィ&ホラーの注目作は、創元ホラー長編賞受賞作となる上條一輝『パラ・サイコ(仮)』、ジョン・コナリーの大ヒット作『失われたものたちの本』の続編となる『失われたものたちの国(仮)』、庵野ゆきによる異世界青春本格医療ファンタジィ『竜の医師団』1、2巻、廣嶋玲子によるナルマーン年代記短編集『王達の戯れ』、乾石智子による書き下ろし『月鶯(仮)』が紹介された。上條一輝の『パラ・サイコ(仮)』は、編集者も「超怖い!」と恐れる一冊だという。
一般文芸では、かつての名探偵のその後の人生を描く桜庭一樹『名探偵の有害性(仮)』、近藤史恵ら5名の作家が参加する『アンソロジー 舞台!』、短編小説の女王と称されるアリス・マンローによる『小説のように』、失恋した瞬間を永遠に繰り返す幽霊や方向音痴の幽霊など、幽霊づくしの物語100編を収めたケヴィン・ブロックマイヤー『いろいろな幽霊』など、バラエティ豊かなラインナップが紹介された。『いろいろな幽霊』は、「いずれは誰もが幽霊になるので、今からどんな幽霊になるのが良いのかを考える手引きにもなる」ユニークな作品とのことだ。
そのほか、東京創元社の文芸誌『紙魚の手帖』70周年記念号の刊行や、米澤穂信『冬季限定ボンボンショコラ事件』へと連なる『小市民シリーズ』のアニメ化などメディア化情報も発表。さらに、東京創元社の創立70周年フェアが4月、7月、11月の上旬頃に全国書店で展開されることも明かされた。フェアでは、人気漫画家による期間限定カバーや、時代を超えて読み継がれる名作のアニバーサリーカバーの作品が並ぶという。アニバーサリーカバーになる作品として、宮部みゆき『パーフェクト・ブルー』、アーサー・コナン・ドイル『緋色の研究』、H・G・ウェルズ『宇宙戦争』が発表されると、会場からは拍手が巻き起こった。さらに、著名人・作家による「私のオススメ文庫」推薦コメントや「全読書人が選ぶ!文庫総選挙」、70周年記念プレゼントキャンペーンなど、嬉しい企画が目白押しだという。
SFファンやミステリファンから高く支持され、70年の歴史を歩んできた東京創元社。その本気度をまざまざと見せつけられる圧巻のラインナップに、興奮させられっぱなしの1時間半だった。この1年は読書による寝不足を覚悟した方が良さそうだ。