たった二つのルールだけで驚くほど文章力が向上! 元カリスマ校長による画期的な文章メソッド「R80」

画期的な文章メソッド「R80」

R80の訓練をしていると、R80で喋ることができるようになる

ーーR80は長い文章にも応用できるそうです。

中島:私は80字で書くアイテムとして作ったのですが、長い文章でも使えるということを、生徒から教えてもらったのです。ある学校の生徒が400字の文章を書く時に、先生に「これはR80が5回ですね」と言ったというんです。就職の志望理由書などで400字ほど書くことがありますが、これは高校生にとっては難しい。ところが、R80を取り組んでいた学校の生徒たちはスラスラと書くことができました。

 長い文章を書く時にも、R80を基本構造として、組み立てていけばいいのです。私はこれを「因数分解法」と名付けました。例えば、序論・本論・結論の構成であれば、R80で因数分解をして、序論を1回、本論3回、結論で1回だと考える。これを倍にしていけば、800文字、1200文字でも書けるようになる。中学生や高校生に「1200字で書きなさい」と言っても、まず筆は動かないですから。そういう時には「R80でまず序論を3回で書いてみましょう」という風に始めるだけで、スラスラと書けるようになっていくんです。

ーーR80は文章執筆以外の場面でも役に立つそうですね。

中島:私は書くためのアイテムとして考えましたが、広まるうちにその副産物として、話す力がつくことがわかりました。ある時、取材に来た記者の方が校長室に来て「この学校の生徒はすごいですね」と言うんです。「私が質問をすると、最初に結論を述べます。その後になぜなら~だからですと答えるんですよ」と。

 R80の訓練をしていると、R80で喋ることができるようになるんですね。そうすると、相手に非常にわかりやすく伝えることができます。生徒たちはプレゼンも上手にできるようになってきます。講演会の質疑応答でも、最初に聞きたいことを伝えた上で、その質問をした理由をあとから言う。そうすると、講演者からしてもわかりやすく、答えやすいでしょう。

 そして話す力がつくということは、仲間同士のコミュニケーション力が高まります。これは世の中に出た時に一番大切な力でしょう。R80は書く力だけでなく、話す力やコミュニケーション力までつく。一生ものになると考えています。

ーー本を出版した今、今後の展望について教えてください。

中島:この本は「教育書ではなく一般啓発本にしたい」と担当編集者と話していました。書店で一般啓発本としてビジネスコーナーに置いてもらえると、学校の先生だけではなく、ビジネスの世界で活躍している人や、保護者のお父さん・お母さんにも手に取ってもらえると思いました。もっと広く一般の方にも知ってもらいたいのです。みんなが文章を書くことに抵抗がなくなって、話し方がうまくなってほしい。そうすると、幸せな世の中になるんじゃないかと思っています。

■書籍情報
『R80 自分の考えをパッと80字で論理的に書けるようになるメソッド』
著者:中島博司
発売日:11月7日
価格:1400円
出版社:飛鳥新社

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