『ガンダム 水星の魔女』ノベライズ第2巻で惨劇への伏線を再発見 スレッタ役声優の演技プランも分かる一冊

小説『水星の魔女』第2巻レビュー

 「ごめんねえ、とうとうバレちゃった。エアリアルは、ガンダムなの」とプロスペラが告げた言葉に反応して出した、スレッタの言葉にならない言葉が小説でどのように記されているかを見ると、笑いもさらに大きくなる。『小説 機動戦士ガンダム 水星の魔女 2』に収録されたインタビューには、スレッタ役の市ノ瀬加那がそのシーンにどのような演技プランで臨んだかが語られている。小説とインタビューを読んだら絶対に、アニメを見返したくなるはずだ。

 ノベライズでは第1巻から、ミオリネの古い友人で、なおかつ婚約者でもあったラングランズ社最高技術責任者のユーシュラー・ミルザハニがスレッタや地球寮の面々と絡むオリジナルエピソードが収録されている。第2巻に収録のオリジナルエピソード#2「双線のラングランズ」では、スレッタとユーシュラーが決闘を始めようとした矢先に、邪魔が入って対応に追われる中で、新しいキャラクターが登場して状況を混迷へと向かわせる。

 ラングランズ社の思惑めいたものも描かれて、アニメの外側で起こっていた出来事への想像をかきたてる。作品のSF考証を担当している高島雄哉が執筆者である以上、本編に直接描かれてはいなくても、物語世界に何か関わりを持つ技術であり出来事だろう。そう思って改めて本編を見返すと、何か発見があるかもしれない。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「書評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる