『幽白』蔵馬、『スラダン』藤真、『進撃』ベルトルト……“平成の漫画少女”たちが愛したキャラクター3選
ベルトルト(進撃の巨人)
『幽☆遊☆白書』や『SLAM DUNK』から約10年の時を経て、『週刊少年マガジン』で一世を風靡したダークなバトル漫画『進撃の巨人』の連載が始まった。
主人公のエレンが訓練兵となった時、同期のひとりだったのがベルトルトである。訓練兵団を3位で卒業した優秀な兵士だが、実は物語で重要な役割を担う超大型巨人の正体はベルトルトである。
蔵馬、藤真と並んでベルトルトが女性人気の高いキャラだと聞き、驚く読者も多いだろう。なぜなら彼は作中で一度もそういった扱いを受けていないからだ。
背が高くおとなしい彼が覚醒したとき、それが彼にとって最後の戦いだった。
その戦闘では超大型巨人としてエレンたちを圧倒することもできたはずだが、仲間のライナー(鎧の巨人)が倒れて気がそれたことでチャンスを逃してしまう。
その後、人間の姿でも非常に強い戦闘力を持つミカサと同等の実力があることが示され、まるで今までのベルトルトじゃないようだと言われるが、主人公エレンの親友であり兵団のブレーンであるアルミンの作戦に引っかかって、巨人化したアルミンに捕食され死を迎える。
その後、作中でベルトルトについて言及する人物は減った。ベルトルトを「相棒」と呼んだライナーからもなかなかその名前が出ず、いちばん彼を思い出しているのは超大型巨人の能力を継いだアルミンかもしれないと感じた場面もあった。
そういった作中での扱いや、仲間のアニに対する淡い恋心がほのめかされていたのも、女性読者がベルトルトに惹かれる要素になったのかもしれない。
2021年に実施された『進撃の巨人』最終回を記念した人気投票で、ベルトルトは第9位にランクインした。これは彼が想いを寄せたアニや、後半の展開に影響を与えたサシャを上回る順位である。
3人の共通点
3人に共通しているのは、戦闘力が高く、クールでありながらも大切な場面では情熱をもって戦っている点だ。もちろん女性ウケするルックスだったということもあるだろうが、ルックス以上にその内面が女性読者を魅了したのではないだろうか。
メイン、サブを問わず今も多くの少年漫画で女性の熱烈な支持を受けるキャラが誕生している。作者の意図はどうなのだろうか。たとえば蔵馬や藤真は作者も女性人気が出るだろうと予想していたように感じられるが、ベルトルトの女性人気に関しては作者も予想外だったのではないだろうか。
こういったことも想像にすぎないが、「作者が意図して女性人気が出るように設定しているかどうか」を考えながら、女性人気の高いキャラを探してみるのも楽しそうだ。