下ネタ、パロディ、独特のツッコミ……『銀魂』の真骨頂はギャグパートにアリ!
さらに、所々に散りばめられている「パロディ」も秀逸だ。アニメの制作会社が同じ『ガンダム』をはじめ、『ワンピース』、『ドラゴンボール』、『ドラゴンクエスト』、スタジオジブリ作品など多くの漫画・アニメ作品がパロディとして取り上げられている。
それだけではなく、桂小太郎が初代総理大臣に就任した時には「ドナルド・ヅランプ」としてトランプ首相をもじった時流に沿ったパロディもあった。一部苦情が入ったという説もあったが、「ここまでやるか」というパロディが笑いを誘う。
そして、なんといっても「くだらないことを大真面目にやっている」ところが面白い。例えば、37巻第328訓「カニのハサミは絆を断つハサミ」。お登勢からもらった1杯のカニを3人で分けることになったが、1本余る。すると突然停電になり、暗闇の中で取り合いが始まる。
ついには城取り合戦から『天空の城ラピュタ』のパロディまで発展する壮大な話に展開していた。だが、冷静に考えれば単なるカニの取り合い。くだらない争いをここまで真剣かつ壮大に描くからこそ、笑いにつながっているのではないだろうか。こうした理由が中心となり、『銀魂』のギャグパートは多くの人を笑顔にして虜にしてきたのだ。こんな時代だからこそ、あらためて『銀魂』のギャグパートを読んで、思いっきり笑ってみるといいのかもしれない。
■書籍情報
『銀魂』(ジャンプ・コミックス)77巻完結
著者:空知英秋
出版社:集英社