『ワンダー 君は太陽』の壮大な世界

“涙を誘う感動映画”のイメージを乗り越える 『ワンダー 君は太陽』の壮大な世界

遺伝子の疾患によって、多くの人とは異なる特徴的な顔で生まれてきた男の子、オーガスト(オギー)。両親や姉の献身的な愛情に恵まれて育…

『マッド・ダディ』ニコケイを魅了したテーマ

狂気演技の第一人者ニコラス・ケイジをも魅了 『マッド・ダディ』が踏み込んだ危険なテーマ

常軌を逸する精神状態を演じさせれば、そこはニコラス・ケイジの独壇場となる。クレイジーな言動や行動をハイテンションで繰り返すのは、…

『バーフバリ』完全版と国際版はどう違う?

『バーフバリ 王の凱旋』完全版と国際版は何が違う? “ゴールデン・スパイス映画”のすごさを分析

2017年の末、日本で初めて、インド映画『バーフバリ 王の凱旋』が封切られた。娯楽映画の王道中の王道、“天道”を走る火の玉のよう…

ストップモーション・アニメの可能性

ストップモーション・アニメは実写映画監督の新たな表現の場に? 『犬ヶ島』などの試みから考察

劇場用アニメーションの主流はCGアニメーションが大きな割合を締めていく一方で、『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』や『ぼくの名前は…

『デッドプール』真の魅力を掘り下げる

『デッドプール2』が提示する、社会のはみ出し者の視点からの解答 ヒーローとしての真の魅力を探る

アベンジャーズをはじめとするヒーロー映画が世界で記録的なヒットを成し遂げるなか、苦手でついていけないという観客も少なくない。アメ…

『犬ヶ島』は“新たな世界の見方”を伝える

ウェス・アンダーソン監督自身が体現する“希望” 『犬ヶ島』は“新たな世界の見方”を伝える

シンメトリーな構図、シュールでユーモラスなセンス。くすんだ色調と愛らしい美術、こだわりの字体とレトロなファッション。これらの要素…

『リディバイダー』が描く崩壊する世界

二つの世界を描いた二つの演出 『リディバイダー』は崩壊しつつある現実社会を映し出す

ガン・シューティングなどのアクションを楽しむTVゲームのなかで根強い人気を誇るのが、ゲームのキャラクター本人の視点でプレイできる…

『ユートピア』の力強いテーマ

10年以上を経て完成したSFファンタジー『ユートピア』 時間をかけるにふさわしいテーマとは?

東京・下北沢にある映画館「トリウッド」で公開中の、SFファンタジー映画『ユートピア』は、その内容と同時に、制作の経緯も特異すぎる…

小野寺系の『フロリダ・プロジェクト』評

アメリカ社会の現状を描き出すーー『フロリダ・プロジェクト』が重要な作品になった理由

中華料理の配達人や、路上で偽ブランド品を販売する不法移民、トランスジェンダーの娼婦など、アメリカ社会の片隅で顧みられずに生きてい…

『ボストン ストロング』ヒーローのあり方

J・ギレンホールを通して苦しみを疑似体験 『ボストン ストロング』が示す“ヒーロー”のあり方

歴史あるボストンマラソンの競技中、ゴール付近に仕掛けられた爆弾が爆発し、3人が死亡、282人が負傷したという、世界中に衝撃を与え…

『ホース・ソルジャー』に見るアメリカ文化

馬に乗った兵士の“英雄の物語”はなぜ映画化された? 『ホース・ソルジャー』に見るアメリカ文化

アメリカ同時多発テロ事件(「9.11」)によって、ニューヨーク、マンハッタンを象徴するワールドトレードセンターのツインタワーが旅…

『アベンジャーズ/IW』真の衝撃を読み解く

【ネタバレあり】『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の“真の衝撃”を読み解く

衝撃の展開の裏に隠された“真の衝撃”とは  マーベル映画のヒーローたちが集結し、強大な敵と戦う『アベンジャーズ』シリーズ。その…

『火垂るの墓』は“反戦映画ではない”のか

『火垂るの墓』『この世界の片隅に』は“反戦映画ではない”のか 高畑勲監督の発言などから検証

『火垂るの墓』は“反戦映画ではない”のか  優れたアニメーション作品を作り続け、アニメ界や映画界に多大な功績を残した高畑勲監督…

『パシリム』続編、なぜ賛否両論に?

『パシフィック・リム:アップライジング』なぜ賛否両論に? 不満の声が出る理由を検証

日本の怪獣映画や巨大ロボットアニメを、ハリウッドの最新技術によって合体させ実写映画化したら…。子どもたちのみならず、かつて幼い頃…

小野寺系の『ワンダーストラック』評

トッド・ヘインズは少数者の孤独な魂に寄り添う 『ワンダーストラック』が示す数奇なつながり

いまアメリカ映画で最も注目されているトピックが「多様性」だ。『ブラックパンサー』が記録的な興行成績を収め、『シェイプ・オブ・ウォ…

アメリカ娯楽映画の状況と展望

『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』から考える、アメリカ娯楽映画の状況と展望

ついに『ブラックパンサー』が、アメリカ国内興行収入で『タイタニック』を超え、アメリカ興行収入歴代3位にまでランクインした。非白人…

『レッド・スパロー』が描く女性の復讐と自立

二重性を持ったジェニファー・ローレンスが本領発揮 『レッド・スパロー』が描く女性の復讐と自立

2010年アメリカで、あるスパイ事件がセンセーショナルに報道された。核弾頭開発計画の情報を収集していたロシアのスパイが、FBIに…

『ボス・ベイビー』なぜ人気作に?

『ボス・ベイビー』なぜ人気作に? 脚本の整合性を超えた実存主義的な姿勢

自宅の前に停まった一台のタクシー。7歳の少年ティムが外を見ると、そこから降りてきたのは、いかにも高級そうな黒いスーツと腕時計、サ…

ゲームと映画の融和点『トゥームレイダー』

『トゥームレイダー』シリーズの20年史が示す、映画とゲームの相互的な影響

イギリスのゲーム会社(Core Design)によって制作された遺跡探索型アクションアドベンチャーゲーム『トゥームレイダー』(1…

『リメンバー・ミー』ヒットの社会的意味

『リメンバー・ミー』はなぜ感動を呼ぶ? “優しさ”がもたらした深いテーマ性

アニー賞、ゴールデングローブ賞などで主要な賞を獲得し、第90回アカデミー賞、長編アニメ映画賞に輝いた『リメンバー・ミー』。近年の…

『イノセント・デイズ』が導く未体験の世界

人間の存在に関わる“真のサスペンス”ーー『連続ドラマW イノセント・デイズ』が導く未体験の世界

妻夫木聡が主演だけでなく、原作者と監督に連絡をとり、自ら企画を提案したという連続ドラマ『イノセント・デイズ』。その熱意もなるほど…

小野寺系の『シェイプ・オブ・ウォーター』評

『シェイプ・オブ・ウォーター』は、なぜアカデミー賞作品賞を受賞したのか?

アカデミー賞有力作品『スリー・ビルボード』との競り合いを制し、第90回アカデミー賞作品賞に選ばれたのは、一人の女性と半魚人との恋…

『ブラックパンサー』は何が画期的?

社会現象にまでなった『ブラックパンサー』は何が画期的だったのか? 背景にある社会状況から考察

アメリカを中心に、いままさに社会現象を巻き起こしているマーベル映画『ブラックパンサー』。ヒーロー単独のシリーズとしては、マーベル…

小野寺系の『空海―KU-KAI―』評

大衆娯楽としての魅力だけではない? 『空海―KU-KAI―』で描かれたチェン・カイコーの核

日本と中国映画界の一大プロジェクトとなった『空海―KU-KAI― 美しき王妃の謎』。『陰陽師』シリーズの作家・夢枕獏の小説『沙門…

『ビッグ・シック』なぜ観客から支持された?

パキスタン出身男性が主人公の恋愛物語、『ビッグ・シック』はなぜ観客から支持されたのか?

サンダンス映画祭で初公開された瞬間から、映画会社による争奪戦が繰り広げられたという恋愛コメディー映画『ビッグ・シック ぼくたちの…

『マンハント』はジョン・ウーの希望の結晶だ

チャン・ハンユーと福山雅治の“正義を信じる心” 『マンハント』はジョン・ウーの希望の結晶だ

あのジョン・ウー監督が、日本を舞台にアクション映画を撮った。しかも、チャン・ハンユー(『戦場のレクイエム』)とともに福山雅治を主…

観客の心理操る『スリー・ビルボード』の衝撃

物事の二面性と中間性を体現する『スリー・ビルボード』の衝撃

「なんだ、これは…」『スリー・ビルボード』を鑑賞中に、思わず何度もつぶやいてしまった。予想を裏切り続ける衝撃的な展開の連続に、こ…

アメリカの現状をあぶり出す『デトロイト』

地獄のような体験を観客に味わわせる映画『デトロイト』は、現在のアメリカの状況をもあぶり出す

執拗な侮辱や罵倒、激しい恫喝、そして銃撃による殺人…。人の目が無い狭い空間で、警官に異常な暴力を受け続ける地獄のような体験をじっ…

小野寺系の『ザ・リング/リバース』評

ジャパニーズ・ホラーはただの流行りものではなかったーー『ザ・リング/リバース』に見るその行方

一時期、世界的なブームとなった「ジャパニーズ・ホラー」。その火付け役となった代表的作品といえば、中田秀夫監督の『リング』(199…