星野仙一が“最強の聞き手”に 小田和正の“秘話”が語られる『居酒屋の星野仙一』は必見!

星野仙一×小田和正の熱すぎるトーク番組

 CSホームドラマチャンネルで、小田和正がゲスト出演した『居酒屋の星野仙一』が11月24日に放送される。

 『居酒屋の星野仙一』は、2006年にNHKで放送されたトーク番組。テレビのトーク番組にほとんど出演してこなかった小田が、ざっくばらんに本音を語っている非常に珍しい様子を観ることができる。

 小田が出演を快諾したのは、相手が星野仙一だったからにほかならない。元中日ドラゴンズのエースで、その後、中日、阪神タイガース、東北楽天ゴールデンイーグルスの監督を歴任した星野と、日本を代表するビッグミュージシャンの小田。ふたりは1980年代に知り合って以来の親友である。

 同じ昭和22年、1947年生まれの「団塊の世代」。1983年の星野の引退試合で、マウンドまで花束を届けに行ったのは小田だった。1984年、小田がオフコース嫌いを公言していたタモリの『笑っていいとも!』(フジテレビ系)で「テレフォンショッキング」に出演したとき、救いを求めるように電話した相手が星野である。

 お互いの気心が知れている様子は、番組収録日に行われた小田のコンサートに星野がゲスト出演する場面ですぐにわかる。呼び込むときに小田が「こいつは何の芸もなくて」とイジり、星野が登場するとすかさずハグ。“闘将”、“鉄拳制裁星野”と恐れられた男を「こいつ」呼ばわりして笑顔で迎えられる人間は、そうそういない。

 コンサート後、元中日・阪神で活躍した星野の愛弟子、大豊泰昭が経営する台湾料理店に場所を映してトークが始まると、相手を乗せつつ、本音を引き出す“最強のインタビュアー”と化した星野の前で、小田が饒舌に語りはじめる。

 小田和正のラブソングはどのように作られているのか、小田自身の経験はどれぐらい反映しているのか、なぜ小田の曲は幅広い客層に受け入れられるのか、東北大学で建築を学んでいた小田がなぜ音楽の道に進もうと決めたのか、建築と決別した瞬間とは……。次々と明らかになる小田の秘話、本音はぜひ番組で確かめてもらいたい。

 お互いを「頑固」「一人で何でも決める」と言い合うふたりの大きな共通項は、「団塊の世代」のトップランナーであるという自負だ。もっとも人口のボリュームが大きく、日本の成長と発展を支えてきた世代。ただがむしゃらに働くだけでなく、政治的にも文化的にもさまざまなメッセージを社会に発信してきた世代だ。その中でも、ふたりは音楽界、野球界をリードする存在、変革する存在として走ってきた。熱く燃える男と静かに燃える男。ふたりはいわば戦友同士だ。

 小田は自分の歩みを振り返って「レールの敷かれていない時代を生きられたのはとても幸せ」と語る。歌謡曲と演歌が幅をきかせていた音楽の世界の中で、新しい音楽を作り、ニューミュージックという新しいジャンルを牽引してきた。星野は「新しいレールを作ってきたのが団塊の世代」と言うと、小田も同意する。ふたりの言葉からは、たとえ面倒くさくても、カッコ悪くても、プライドを捨てて社会の中で先陣を切らなければいけないのが自分たちの世代であり、自分なのだという強い矜持を感じる。

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