永瀬廉&髙橋海人、“W社長”の躍進が止まらない 『東京タワー』『95』で証明した演技力
King & Princeの永瀬廉と髙橋海人が、5月23日にファンクラブサイトを通して「King&Prince株式会社」を設立し、STARTO ENTERTAINMENTとエージェント契約を結んだことを発表した。2人とも現在放送中の連続ドラマに出演しており、初回放送から大きく注目を集めている。今回は、止まることなく歩みを進める永瀬と髙橋の俳優としての持ち味にフォーカスしてみたい。
永瀬は現在、オシドラサタデー『東京タワー』(テレビ朝日系)で、主人公の小島透を演じている。原作は江國香織の同名人気小説で、初版は2001年。2005年には岡田准一主演で映画化され、当時も大きな話題を呼んだ。韓国でのドラマ化、そして映画化から19年の時を経てテレビドラマ化された。
「暗闇に浮かぶ東京タワーは、どこかいつも寂しそうだ……世界で一番悲しい景色」。第1話は透のモノローグから始まる。ベッドの縁に座ってグラスを持つ透。窓の外には赤とオレンジ色に染まった東京タワーが見える。
いつもと同じ毎日に飽き飽きしていた透の前に、突如現れた年上の女性。建築家の浅野詩史(板谷由夏)によって、“いつも”と同じはずの日々が彩られ、心を揺さぶられていく。詩史は柔らかく上品な雰囲気ーー“空気”があり、奔放な母親とは対照的なタイプ。建築家として名を馳せ、夫がいても自立している絵に描いたような“キャリアウーマン”だ。「完璧なものはつまらない」「東京タワーが寂しそう」。聡明な詩史から放たれる言葉の端々に刺激を受けた様子の透。目を丸くして驚くと同時に、瞳には少しずつ輝きを宿していった。
永瀬は演じる役の心の動きをごくわずかな目や頬の動きで表現することに長けている。直近で出演した映画『真夜中乙女戦争』(2022年)、『法廷遊戯』(2023年)でもその繊細な演技力を発揮しているのだが、今作ではより繊細な印象だ。同級生の大原耕二(松田元太)がコミカルなキャラクターを熱演しているのもいいエッセンスとなり、透の冷静沈着で真面目な性格が浮かび上がってくる。喜怒哀楽を表にわかりやすく出さないタイプの透だが、背伸びをしたり等身大の素直さが出たり、そんな透の心が揺れ動く様に視聴者としても心を揺さぶられるのだ。
一方、4月8日からスタートしたドラマプレミア23『95』(テレビ東京系)で、主人公の“Q”こと広重秋久を演じる髙橋海人。物語の舞台は1995年の東京・渋谷。安室奈美恵のスタイルをまねた“アムラー”や、小室哲哉が手がける楽曲が大ヒットを飛ばすなど様々なカルチャーが生まれた時代だった。ファッション誌ではストリートスナップが盛んで、Qも同様に星城学院の学校名を掲げて登場していた。
髙橋海人は“劣等感”の芝居が抜群に上手い! 『95』Q役で平成初期のムードを体現
髙橋海人が主演を務めるドラマ『95』(テレビ東京系)が4月8日にスタートした。 タイトルの『95』が示すのは、1995年。阪…
第1話では、喫茶店で音楽ライターの新村萌香(桜井ユキ)の待ち合わせ相手として、45歳の秋久(安田顕)が登場する。現在はカラオケ会社に務める秋久は「音楽業界の歴史」をテーマにした取材を受けるはずだったが、新村は秋久の高校生時代、1995年の出来事に迫る。テーブルにはQたちの写真が掲載されたファッション誌が置かれ、当時のことを話すのは少し勇気がいるような面持ちで言葉を発していた。本作は現代パートと95年パートが描かれており、髙橋が演じるのは95年の秋久だ。
高校1年生までは成績優秀だったが、都内で発生した地下鉄サリン事件を皮切りに、目の前で援助交際カップルを目撃、自身はカツアゲに遭い……とあれこれが重なり、当時話題を集めた「ノストラダムスの大予言」をフックに、鈴木翔太郎(中川大志)の誘いもあって、人生観が変わっていくQ。