岡田将生&ディーン・フジオカに香港のファンが熱狂 日本映画も世界で飛躍の時へ

3月16日に授賞式が開催された、アジア全域版のアカデミー賞「アジア・フィルム・アワード」には、多くの日本人も参加した。受賞結果としては、『敵』の吉田大八監督が最優秀監督賞、『HAPPYEND』主演の栗原颯人の新人俳優賞、役所広司の功労賞、Kōki,のライジングスター賞のみにとどまったが、多くの監督やスタッフ、俳優がノミネートを果たしており、現地でレッドカーペットを踏むことになった。
受賞結果以上に、この日は日本の映画人のグローバルでの存在感と世界への意識の高まりを感じさせるものだった。
香港のファンに熱狂的に迎え入れた岡田将生とディーン・フジオカ

本アワードのアンバサダーにはディーン・フジオカ、ユース・アンバサダーには岡田将生の『ラストマイル』出演コンビが選ばれており、そろって現地入り、ファンとの交流会であるウォームイベントに、アジア各国のスターと並んで出席した。現地では地元テレビ局の取材も揃って受けており、注目度の高さをうかがわせた。

そこには香港の岡田将生とディーン・フジオカのファンも詰め掛けていた。ディーン・フジオカはルーツに香港があるが、岡田将生はそうではない。しかし、わざわざ彼を一目見ようと集まった女性ファンが大勢詰めかけていた。うちわまで作っており、各国のスターと一緒に歓声を浴びていた。

このアワードの特別イベントとして2人が出演する映画『ラストマイル』の上映も行われた。満員の観客が詰めかけており、ディーンは、観客が非常に深く映画を観てくれて、鋭い質問もしてくれたと上映を述懐していた。ディーンは、ウォームアップイベントでも授賞式でも全て広東語で対応しており、香港でモデル活動をスタートした彼にとって、ルーツである香港への凱旋は特別な想いがあったようだ。
岡田もグローバルな舞台で日本映画が通用することの手ごたえを感じているようだ。レッドカーペットの取材では、若い監督たちが台頭してきていることを頼もしく思っているとコメントし、自分も果敢に色々なことに挑戦してきたいと語った。

グローバルな世界への意欲を感じさせるのは、女優陣もだ。ライジングスター賞を受賞したKōki,は、会見も授賞式でのコメントも全て英語で対応、河合優実もプレゼンターとして登壇した際には英語でスピーチを行うなど、若い世代の俳優が確実に世界を見据えている姿勢がうかがえる。

山中瑤子監督と河合優実の『ナミビアの砂漠』はカンヌ国際映画祭をはじめ、世界中で賞賛を浴びることになった。監督と主演女優の相性が非常に良い作品だと感じられたが、今後も一緒に仕事していきたいかとの問いに、二人そろって「もちろんです」と答えてくれた。この2人は今後も世界を驚かす作品を生み出し続けてくれるだろう。
また、新人俳優賞を受賞した栗原颯人はこれが映画初主演での栄誉となった。主演男優賞候補の長塚京三、助演女優賞候補の瀧内公美、助演男優賞候補の光石研と池松壮亮など、中堅、ベテラン勢も存在感を発揮、ノミネートの喜びをあらわにしていた。

功労賞の役所広司が多くの映画人に尊敬されている様子も手に取るように感じられた。助演女優賞を受賞した台湾のヤン・クイメイは、憧れの俳優に役所広司の名前を挙げて、アフターパーティで話せることを楽しみにしていると語っていた。