興収100億突破確実ながら早くも息切れ? 映画『スーパーマリオ』が伸び悩んだ理由

映画『スーパーマリオ』が伸び悩んだ理由

 先週末の動員ランキングは、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が3週連続1位。週末3日間の成績は動員72万1000人、興収10億6800万円。5月14日(日)までの累計動員は569万人、興収80億円を突破。全世界では12億ドル(1600億円)を超えて、既にイルミネーション作品の史上最高興収を記録している。

 もっとも、公開初週の週末成績が18億4200万円、公開2週目の週末成績が134.2%という驚異の前週比を叩き出しての24億7300万円という流れからすると、公開3週目となった先週末は前週比43%と大幅ダウン。もちろん、3週目でも10億円超えの週末成績は見事なものだし、累計でも興収100億円突破は確実な情勢なので、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が日本国内でも文句なしの大ヒット作品であることには議論の余地はない。ただし、2週目の異常な伸び率が瞬間的に見せてくれた「夢」、具体的に言うなら歴代興収4位、海外アニメーション作品として歴代最高興収記録を9年間保持している『アナと雪の女王』1作目の255.5億円に肉薄するような「夢」は、どうやらまったく叶いそうにない。

 世界主要国から公開を3週間遅らせて、ゴールデンウィークを狙い澄ました4月28日に日本公開された『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は、ファミリームービーであることも相乗効果となって、ゴールデンウィーク興行のポテンシャルを最大限引き出すことに成功したことは言うまでもない。問題は、ゴールデンウィークが終わった途端、思いのほか早くその追い風が止んだことだ。

 大きな理由として挙げられるのは、先週末も2位にピタリとつけている『名探偵コナン 黒鉄の魚影』や、昨年12月の公開作品ながらいまだトップ10圏内(8位)に踏みとどまり続けている『THE FIRST SLAM DUNK』、そして公開規模こそ違えど、つい先日(5月16日)公開から206日目で興収20億円突破を達成した『RRR』のように、近年の国内におけるヒット作の傾向であるリピーター需要に、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』がハマらない作品であることだ。ちなみに『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は5月16日から北米では早くも有料での配信も始まっていることから、海外でも劇場で長期間にわたって稼ぐタイプの作品ではないと見なされていることがわかる。

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