『名探偵コナン』vs『スーパーマリオ』 GW本番に繰り広げられる2強の空中戦

GW本番に繰り広げられる2強の空中戦

 先週末の動員ランキングは『名探偵コナン 黒鉄の魚影』が週末3日間で動員111万3000人、興収16億1500万円をあげて2週連続1位となった。4月23日までの10日間の累計成績は動員407万2179人、興収58億6665万4490円。相変わらず驚異的な数字ではあるものの、先週末との比較でいうと約半分となる49%ダウンというこの公開2週目の結果は、同シリーズの興行がこれまで以上に初動に偏ってきていることを示している。

 2位に初登場したのは『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』。オープニング3日間の動員は42万8000人、興収は5億8300万円。この数字には4月20日の前夜祭上映分含まれているが、それでも2年前に公開されて興収45億円を記録した前作『東京リベンジャーズ』のオープニング成績の84%という成績。今回の作品は6月30日に公開される『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-』との2部作ということで、2作合わせれば前作超えする可能性は濃厚だが、『名探偵コナン 黒鉄の魚影』の王座を揺るがすようなインパクトは残せなかった。

 さて、ランキングをご覧の通り、先週末のトップ10はまたしてもすべてが日本映画。そのうち半分の5作品がアニメーション作品。本コラムで再三述べてきた通り、そのこと自体はもはや珍しいことではなくなっているわけだが、今週末その牙城を崩し、外国映画として久々の大ヒット作となりそうなのが、日本の任天堂のIPにして、3Dアニメーション作品の『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』だ。ユニバーサル・ピクチャーズ配給(日本では東宝東和配給)の同作はもちろんアメリカ映画ではあるが、プロデューサーとしてイルミネーション・エンターテインメントCEOのクリス・メレダンドリと並んで任天堂の宮本茂氏の名前がクレジットされているだけでなく、製作陣にも多くの日本人や日本企業が名を連ねている。つまり、過去の日本のゲームを原作とする作品の多くがそうであったようなIPを売り渡した作品ではなく、権利関連においてもガッチリと日本サイドが食い込んでいる点で、新しい時代の多国籍型「ハリウッド映画」といえる。

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