『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』凱旋興行大爆発で2023年は空前のGW興行に

『スーパーマリオ』凱旋興行大爆発

 先週末の動員ランキングは4月28日に公開された『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』がオープニング3日間で動員127万6139人、興収18億4278万3160円を記録。2位の公開3週目『名探偵コナン 黒鉄の魚影』の同期間の成績は動員83万1000人、興収11億8900万円。3位の初登場、劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』の同期間の成績は動員58万6000人、興収7億9200万円。ということで、2位と3位も十分に高い数字なのだが、他の作品を圧倒的にぶっちぎって『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』がいきなり独走状態に入っている。

 『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』のオープニング成績は、日本におけるイルミネーション作品の歴代ナンバーワンであるだけでなく、『ジュラシック・ワールド/炎の王国』(最終興収80.8億円)を超えてユニバーサルスタジオ作品全体においても歴代ナンバーワンの数字。しかも、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は初動成績でブーストが効きやすい続編ではなくシリーズ(間違いなくシリーズ化されるでしょう)1作目。5月1日(月)以降も連日まったく衰えのない興行を続けていることもあり、久々にどこまで伸びるかまったく予想がつかない状況となっている。歴史的なヒット作になる一つの基準として、2週目以降に1週目を上回る数字を積み上げるケースがあるが、もし今週末にそれを成し遂げるようだったら、年間ナンバーワン作品、さらには興収200億円超えも夢ではないかもしれない。

 本コラムでは、今年のゴールデンウィーク興行は『名探偵コナン 黒鉄の魚影』と『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の2強に『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』がいかに食い込むかという予測をしていたが、2部作が祟ってか、あるいは早くもフランチャイズの息切れか、『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』が思いのほか伸びていない一方で、ここまで民放テレビドラマ映画化作品として劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』が安定した強さを見せている。5月3日(祝)にはゴールデンウィーク興行の恩恵で北米よりも2日早く『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』(今回は「リミックス」みたいな変な邦題がつかなくて本当によかった)も日本先行公開されたが、やはり『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』、『名探偵コナン 黒鉄の魚影』、劇場版『 TOKYO MER~走る緊急救命室~』の一角を崩すにはいたってない。

 まとめるなら、今年のゴールデンウィーク興行は、異次元のメガヒットになりそうな勢いの『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』、シリーズ歴代ナンバーワン&興収100億円突破は確実の『名探偵コナン 黒鉄の魚影』を2トップに、それぞれ堅いファンベースを持つ劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』、『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』の3作品がその後に続くという、興行サイドからすると理想的な展開となっている。コロナ禍に入って以降の3年間、突発的な大ヒット作はいくつかあったものの、これだけ分厚く国内外のヒット作が同時期に出揃うことはなかった。その3年間でヒット作の傾向や映画界の産業構造、さらには物価高騰などの社会状況は大きく変わったが、ひとまずはホッと一安心といったところだろう。

■公開情報
『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』
全国公開中
声の出演:クリス・プラット、アニャ・テイラー=ジョイ、チャーリー・デイ、ジャック・ブラック、キーガン=マイケル・キー、セス・ローゲン、フレッド・アーミセン、ケヴィン・マイケル・リチャードソン、セバスティアン・マニスカルコ
脚本: マシュー・フォーゲル
監督:アーロン・ホーヴァス、マイケル・ジェレニック
製作:クリス・メレダンドリ(イルミネーション)、 宮本茂(任天堂)
日本語版吹替声優:宮野真守(マリオ)、志田有彩(ピーチ姫)、畠中祐(ルイージ)、三宅健太(クッパ)、関智一(キノピオ)
配給:東宝東和
©︎2023 Nintendo and Universal Studios
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