宇野維正の映画興行分析
テレビシリーズ開始日も発表された『ジークアクス』 公開6週目にして再浮上のなぜ?

2月第4週の動員ランキングは、劇場版『トリリオンゲーム』が週末3日間で動員20万4000人、興収2億9200万円をあげて2週連続1位となった。2月24日までの公開から11日間の動員は86万3100人、興収は12億円。
前週3位から2位に再浮上した『ファーストキス 1ST KISS』は、週末3日間で動員16万9000人、興収2億5500万円。この成績は前週の105%。公開3週目にして前週超えということで、ロングヒットのゾーンに入った。公開から18日間の動員は93万2000人、興収は13億4000万円。それぞれヒットの要因はいくつもあるが、STARTO ENTERTAINMENTに所属するグループのタレントがメインロールを務めた作品が1、2フィニッシュということで、新事務所設立から1年強で少なくとも映画界においては完全復活を遂げたと言ってもいいだろう。
前週からランクアップした作品としては、公開6週目にして7位から4位にジャンプアップした『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』の勢いも注目に値する。公開から39日間の動員は172万2300人、興収28億2600万円。先週末の2月22日からはMX4D/4DX版の上映もスタート、本編映像の後にはテレビシリーズへの期待を煽る特別映像も追加されて、テレビシリーズの放送に先駆けての劇場公開作品として異例の興行を続けている。
『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』劇場公開時には完全に情報が伏せられていた、そのテレビシリーズの詳細も2月23日にようやく発表。4月8日(火)から毎週24時29分に日テレ系30局ネットで地上波放送開始ということで、一部で「先行劇場公開からかなり期間が開くんじゃないか」と危惧されていた声に反して、順調なペースでテレビシリーズがスタートすることが明らかになった。
ここまで放送開始の日程を発表してこなかったのは、劇場への客足が鈍らないようにという配慮もあったのだろうが、実は今回の発表が『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』の興行にとってさらなる追い風となる可能性もある。というのも、地上波の深夜帯でのレギュラー放送ということで、『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』で「Beginning」と題されていた前半部分についてはテレビ放送される可能性が薄まったからだ。まだ放送開始まで1ヶ月以上あるので、ここからさらにどのような仕掛けがあるのかは不明だが、テレビシリーズを楽しみにしながらも劇場版を未見の人は、今のうちに劇場で観ておいた方がいいかもしれない。
『今週の映画ランキング』(興行通信社):https://www.kogyotsushin.com/archives/weekend/






















