福原遥、目黒蓮を筆頭に、高杉真宙、佐野弘樹ら『舞いあがれ!』に“ブレイク俳優”が集結

『舞いあがれ!』に“ブレイク俳優”が集結

 “若手俳優の登竜門”として知られているNHKの“朝ドラ”こと連続テレビ小説。主人公はもちろん、その幼なじみや兄弟姉妹、初恋の相手などなど、ある種のパターンとしていくつものブレイク待機席が用意されているといってもいい。とりわけ現在放送中のNHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』は現代劇(といっても90年代からスタートとした物語ではあるが)であり、朝ドラとしては珍しく大学生活も描かれた。そうなればこれまでの作品以上に多くの若手俳優がしのぎを削る作品になるのは必然だ。

 まず福原遥演じる主人公の岩倉舞が、幼少期時代にばらもん凧を通して“飛ぶこと”への憧れを持ちはじめる姿が描かれた最初の「五島編」。いわゆる“若手俳優”の括りに含めるべきか悩むところではあるが、ここで舞の幼少期を演じた浅田芭路の表現力にはかなり驚かされた。いかにもな子役らしさがありながらも、表出する感情ひとつひとつに奥行きがあり引き込まれる。前回の朝ドラ『ちむどんどん』で主人公の暢子(黒島結菜)の幼少期を演じた稲垣来泉につづいて、将来有望な子役としてしっかりと記憶に留めておきたい。

 大学に進学した舞が人力飛行機サークルに入り、“飛ぶこと”への強い意欲を手にしていく「なにわバードマン編」は、若手俳優がひしめきあった最初の激戦区だ。とはいえドラマの作りとして、舞の個人的な成長に強くフォーカスが当てられていたためか、あまり抜けたキャラクターとして描かれ人物がいなかったのも正直なところだ。それでもやはり、設計担当の刈谷を演じた高杉真宙は別格。冷静さと熱を露呈させる瞬間のコントラスト、時折入る博多弁(高杉は福岡出身なのでネイティブであろう)。真っ先に再登場を期待したいキャラクターである。

 そして11月21日からの第8週で、物語は「航空学校編」へと突入した。ここから脚本家が交代したこともあってか、チームのなかで舞という一人の人間がいかに成長していくかに物語がシフトしていく。自ずと航空学校でチームを組む、舞を含めた6人の青春群像としての要素が強くなっていくのである。“飛ぶこと”に憧れや意欲だけでなく責任が伴い、それが将来へと密接につながる。バラバラの6人が徐々に結束を強め、恋愛模様や別れなど、青春ドラマらしい要素が凝縮されたストーリーラインは、朝ドラの性質上いささか性急にも思える部分が見受けられるとはいえ、普段の朝ドラとはちょっと違う意外性も感じるほどだ。

 さて、この航空学校編のメンバーでまず挙げるべきは、なんといっても柏木役の目黒蓮であろう。航空エリートの家庭に生まれ育ち、強い自信を持つあまり周囲に馴染みきれずに無愛想でぶっきらぼう。そんな彼がお好み焼きパーティ以降徐々に打ち解けるようになり、やがて舞の初恋の相手となる。もっとも、航空学校の面接の段階で舞と“最悪な出会い”をした以上、このような役割を担うことになるのはお約束の展開だ。

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