福原遥、目黒蓮を筆頭に、高杉真宙、佐野弘樹ら『舞いあがれ!』に“ブレイク俳優”が集結

『舞いあがれ!』に“ブレイク俳優”が集結

 舞台を帯広に移して始まった飛行訓練のさなか、突如露呈した柏木の弱点。同じ班となった水島がプリソロチェックでフェイルとなり、航空学校を去ることになったシーンで見せた涙。その後のわかりやすいほどの落ち込みよう。先述の“お約束の展開”にたどり着くためにとんとん拍子にあらわにされていく人間らしい部分は、実に好感度が高い(初めの好感度が低いキャラクターほど後々高くなるのは致し方あるまい)。

目黒蓮に「木村拓哉に似てる」の声も 『silent』『舞いあがれ!』で国民的俳優へ

目黒蓮はズルい。  美しいビジュアル、180センチを超える身長、一瞬で吸い込まれてしまう笑顔、それに加えて歌って踊れるのだから…

 もちろん目黒といえば、現在の10月クールには『silent』(フジテレビ系)があり、出演映画『月の満ち欠け』の公開も始まっており、この『舞いあがれ!』が終盤に差し掛かる来年3月には主演映画『わたしの幸せな結婚』も待機している。2023年にはドラマや映画などでさらに引っ張りだことなることはほぼ間違いないだろう。

 舞とは対照的なタイプの女子学生、矢野倫子を演じる山崎紘菜もさすがの安定感。「東宝シンデレラ」オーディションで出てきて以降、コンスタントに出演作を重ねてきたとはいえこれといって大きな役回りのなかった山崎。しかしこの1~2年の急成長ぶりはめざましく、その流れでの朝ドラ初出演。10年近くやってきたTOHOシネマズの幕間映像のおかげで認知度は間違いなく高いだけに、ここでさらに認知度を上げて次の作品で一気に跳ね上がる予感がする。

 水島役の佐野弘樹という役者を、筆者はこの作品で初めて知ったのだが、早々にフェイルしてしまったのは勿体ない。不思議なオーラがあり、何ともおもしろそうな役者が出てきたという印象を受けた。また中澤役の濱正悟は、『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』のルパンブルー役のイメージがまだ残っているとはいえ、多くの若手俳優を輩出した「スーパー戦隊シリーズ」に今回の朝ドラと、二つの登竜門をくぐり抜けたとあればその実力は折り紙付きだろう。

 そして想像以上に魅力的な演技を見せているのは、吉田役を演じる醍醐虎汰朗だ。優等生で優しい性格の持ち主で母親思い。バラバラだったチームを団結させるだけの人望を備え、同じ優等生でも柏木とは正反対の“応援したくなる”タイプ。ところどころで舞に恋心を抱いているような視線を感じ取ることができ、案外このなかでは一番ドラマを動かしてくれそうなキャラクターにも見える。朝ドラ恒例のスピンオフ作品が作られるなら、ぜひとも吉田学生の物語が観たいものだ。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:福原遥、横山裕、高橋克典、永作博美、赤楚衛二、山下美月、目黒蓮、長濱ねる、高杉真宙、山口智充、くわばたりえ、又吉直樹、吉谷彩子、鈴木浩介、高畑淳子ほか
作:桑原亮子、嶋田うれ葉、佃良太
音楽:富貴晴美
主題歌:back number 「アイラブユー」
制作統括:熊野律時、管原浩
プロデューサー:上杉忠嗣
演出:田中正、野田雄介、小谷高義、松木健祐ほか
主なロケ予定地:東大阪市、長崎県五島市、新上五島町ほか
写真提供=NHK

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