Snow Man 目黒蓮、“気持ちを作ること”との向き合い方 「ずっと感情を考え続ける」
全国公開中の映画『月の満ち欠け』に出演しているSnow Manの目黒蓮。現在放送中のドラマ『silent』(フジテレビ系)や、連続テレビ小説『舞いあがれ!』(NHK総合)にも出演するなど、活躍の幅を急速に広げている目黒は、本作では瑠璃(有村架純)と許されざる恋に落ちる大学生・三角哲彦を演じている。目黒は本作でどのような役作りを行ったのか。現場での共演者とのやりとりや、グループ活動について思うことを聞いた。
「今でも、あのときのことを思い出すと辛くなります」
ーー最初に台本を読んだときの感想を教えてください。
目黒蓮(以下、目黒):最初に台本を読んだとき、家で泣きました。それは僕が大事にしている価値観みたいなものがこの物語の中にあって、すごく共感できたからです。あとは豪華な皆さんの中でお芝居ができるという喜びと、そこからたくさん学ぼうというワクワク感でいっぱいでした。
ーーどういった部分で泣かれたのですか?
目黒:突然、登場人物がいなくなってしまうところです。そういうことって実際に起こりうる可能性があると思うので、頭の片隅で考えながら、他人と接する時間を大切にできたらいいなと思いますし、それを描いたシーンで泣きました。
ーー目黒さんは「役柄に共感した」というコメントをされていました。役との共通点はなんですか?
目黒:20歳ぐらいのときの自分にすごく似てるなと思いました。なので役作りも、20歳ぐらいのときの自分を思い出して、「こんな感じだったな」と、そういうところから入りました。性格や考え方、それと台本を読んでいてなんとなくイメージする人物像みたいなところにも共感できました。
ーー本作を通して一番大変だったことはどこですか?
目黒:“気持ちを作ること”がとにかく大変でした。辛いシーンを演じる際には感情の想像を最大限に膨らませていて、実際にそういう辛いことが起こったらどう感じるのか、ということを細かく考えました。それは今あのシーンを思い出しても、そのときの三角哲彦の気持ちになれるくらいで。そういうシーンを撮る日は心がすごく疲れて大変でした。
ーー撮影している期間は割と辛い日々だったんですね。
目黒:そうですね。撮影があると前の日から頭の中で感情の整理をするのですが、そうすると次の日の撮影までずっとその感情について考えていたりするんです。それが辛いシーンだったりすると、隅の方で泣いたりすることもありました。僕は、器用にポンポンと切り替えていけるタイプじゃないので、ずっと考えておかないといけないんです。今でも、あのときのことをリアルに思い出すと辛くなります。だからこそ、終わったときの達成感はすごかったですね。
ーーご自身でキャラクター像を作って撮影に臨んだということですが、廣木隆一監督とはどういったお話をされましたか?
目黒:監督は「とにかく気持ちを持ってきてくれればいい。それを繋げるのは俺の仕事だから」と言ってくださっていました。なので、自分はとにかくそのシーンでの三角はどういう気持ちなのか、その前後はどういう気持ちだったのか、ということだけを考えていました。僕には細かいお芝居のテクニックや引き出しはないので、とにかくたくさんの学びを拾いに行くことと、そしてシーンのこの気持ちだけを持っていくことを徹底していました。あと、僕は現場でもずっと考え続けているので、特に誰かと喋ることもなく1人でポツンといるタイプなんです。僕のそういうところを理解してくださったのか、監督が「今、目黒くんが気持ちを作ってるところだから、周りは静かにしてあげて」とか声かけをしてくださって、僕にとってやりやすい環境を作ってくれました。僕もその優しさに応えるために一生懸命やるしかないなと思いました。
ーー監督との役柄のすりあわせはどのように行いましたか?
目黒:そこまで深くお話はしていないです。でも、僕が作ってきた気持ちを持っていって、それをもとにテストをしたり、段取りを何回も繰り返して確認した上で、撮影は進みました。なので、現場で僕の作った気持ちをブラッシュアップしてくださった、という感じです。
ーー撮影はそういった段取りで進めていたんですね。
目黒:現場での撮影スピードにはとても驚きましたね。テストをしているうちにいろいろ変わることがあって、気付いたらセリフが増えたり、なくなったりしていました。そうしていろいろなものが変わっていくなかで、ときには自分の整理がつかないほどの速さで変わることもあったのですが、それが逆に僕の“自然”な演技を引き出してくれている感じがしました。もちろん、表現そのものが変わることはないのですが、そうやって流れるような撮影をしていたのが印象に残っています。
ーーそうした現場では緊張感もあったのではないでしょうか。
目黒:もちろん緊張感もありました。ですが、実際には自分はその場でやってるときは作った気持ちのままなので、緊張するのもたまに忘れてるぐらいでした(笑)。「やばい、どうしよう」みたいな感じになる余裕が、逆になかったです。