ポケモン、リザードン似のスナック菓子が約1300万! ドラゴンボールは空の容器が高値……天井知らずのIPキャラたち

高値で取引される天井知らずのIPキャラたち

■ただのスナック菓子が1300万円!?

  世界中の富裕層の間では、現代アートの高額落札が続いている。2024年11月には、バナナを壁にテープで貼り付けただけのアート作品が約9億6000万円で落札され、世界に衝撃を与えた。しかし、そんなレベルで驚いてはいけない。なんと、“ただのお菓子”が約1300万円で落札される出来事があったのだ。

  それは、2025年2月11日、海外オークションサイト「Goldin」で落札されたスナック菓子、チートスである。お菓子の袋などが珍しかったりして、パッケージのコレクターが落札したのかと思いきや、お菓子そのものだ。パッケージに入っているわけではない。しかし、よく見るとそのお菓子の形がポイントなのだ。

  そう、このチートスは『ポケットモンスター』のキャラクター「リザードン」の形をしているのだ。もちろん偶然の産物である。しかし、そんな偶然の産物に価値を見出すファンがいたことで、驚異的な高値で落札されるに至ったのだ。それにしても、1個のスナック菓子が約1300万円である。モノの価値と言うものはわからないものだ。

  ポケモンファンの間で、このお菓子は“チートザード”と呼ばれているという。『ポケモン』の世界的人気を象徴する出来事といえるが、偶然できたものであっても、一点もので、その造形がユニークであればプレミアムグッズに化ける可能性があることを表している。一獲千金を狙い、チートスを1個1個調べている人が既にいることだろう。今後もこうした“偶然のアート作品”がオークションを賑わせるかもしれない。

■日本のオークションでもこんな事例が!

  さて、これほどの高額には至っていないものの、「こんなものがこんなにするの?」「ああ、捨てなければよかった」と思うものが高額で落札される事例は普通にある。国内最大級の漫画古書店「まんだらけ」のオークションでは、漫画やアニメの珍しいグッズが次々に落札されている。そのなかから、興味深い事例を見てみよう。

  まずは、アニメ『ドラゴンボールZ』のヨーグルトの空容器である。孫悟空の笑顔が素敵なパッケージだ。もちろん中身が入っていないが、なんと2万6000円で落札されている。さらに、そのヨーグルトの蓋も出品され、こちらも9500円で落札された。アニメ放送当時、スーパーで普通に売られていたヨーグルトが、とんでもないプレミアグッズになっている。

 続いては「丸美屋 ドラゴンボール ドラゴンボール付きふりかけ」だ。もちろん限定商品などではなく、スーパーで普通に売られていたものだが、こちらも2万6000円で落札されている。このふりかけ、スーパーボール状の『ドラゴンボール』がおまけでついているので、当時は集めた人も多いかもしれない。しかし、ふりかけが入っている缶まで保存しておいた人は極めて少ないはずである。

まんだらけのオークションサイトより

 なぜ、『ドラゴンボール』の商品がこれほど高額になるのだろうか。一つの大きな理由は、海外に熱狂的なファンが多いことだ。その点は『ポケモン』と一緒である。そして、90年代に子ども時代を過ごして大人になった人が、当時を懐かしんでコレクションを始めるケースである。子どもの頃に持っていたけれど失くしてしまった、もしくは買ってもらえなかったものを今こそ手に入れたい。そんな思いでオークションに参加する人は多いのだ。

 今、スーパーで普通に買い求めることができるお菓子であっても、10年、20年後まで保存しておけばプレミアがつくかもしれない。だが、実際には置き場所などの問題で、よほどの熱狂的なファンでなければ保存しておくことはない。ましてや、ヨーグルトの空容器やふりかけの缶を大切に保存できる人は少ないだろう。だからこそ、希少価値が生まれ、プレミアがつくというわけだ。

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