『ドラゴンボール』ギャグ漫画路線からどう変化? 転換点となった重要な戦いといえば

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■『ドラゴンボール』作風の変化

  鳥山明の漫画『ドラゴンボール』は、「週刊少年ジャンプ」で長期にわたって連載が続き、1巻と最終巻の42巻でかなり作風が異なる漫画になった。そもそも主人公の孫悟空が子供だったのが大人になっているし、当初は世界中に散らばるドラゴンボールを探す冒険活劇だったのが、本格的な格闘漫画になっている。

  最初に作風の転換点となったのは、ドラゴンボールを7つそろえ、悟空が亀仙人のもとに修行に出かけるところからだろう。ドラゴンボールを探し出すという目標を達成したことで、悟空が強さを追い求めて修行する内容に変化した。この時に登場したのが悟空のライバルになるクリリンであった。

  その後、天下一武道会という格闘技の大会が登場し、レッドリボン軍という強力な軍隊が出現するなど、『ドラゴンボール』は格闘色の強い漫画に変化していく。特に、殺し屋の桃白白には悟空がかなり苦戦する姿が描かれている。しかし、レッドリボン軍との戦いの中で、悟空が『Dr.スランプ』のペンギン村を訪れる場面が描かれていたりと、まだまだそれでもギャグ色が濃厚な漫画であった。

■転換点になったのはあの敵といえば?

『ドラゴンボール』にとって、作風の転換点となったのはピッコロ大魔王との戦いであった。悟空のライバルであり親友のクリリンが突然、ピッコロ大魔王の部下に殺されてしまう。ここから物語が始まるが、以後、ピッコロ大魔王を倒すまではギャグシーンがほとんど見られない。大魔王が電子ジャーに封印されていたという設定は鳥山明らしいユニークな設定だが、ギャグらしいギャグはそのくらいではないだろうか。

  そして、ピッコロ大魔王は悟空に敗北するが、その後の天下一武道会でその生まれ変わりのマジュニアと対決することになる。この天下一武道会出場に向け、修行を天界で行っている間に悟空は大人になり、身長が大きく伸びた。そして、悟空の出場が3回目となったこの天下一武道会は、悟空が大人になったことで一層本格的な格闘場面が描かれることになった。

  その後、サイヤ人編になるとますます格闘色が強まり、ほとんどギャグが見られなくなったが、魔人ブウ編ではかつての鳥山を彷彿とさせるようなギャグが所々に見られるようになった。こう『ドラゴンボール』の歴史を振り返ってみると、やはりピッコロ大魔王編の果たした役割は大きい。ここでシリアスなストーリーが描かれ、悟空が大人になったからこそ、のちのベジータやフリーザとの戦いが白熱するものになったのである。

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