『女の園の星』『ふつうの軽音部』『路傍のフジイ』……栄冠はどの作品に? マンガ大賞2025ノミネート10作品を全解説

マンガ大賞2025ノミネート作品を全解説

 田村隆平『COSMOS』(小学館)は、コミカルだった『べるぜバブ』の作者の新境地ともいえるSFストーリー。嘘を見抜く力を持った高校生の水森楓が、謎の女子高生に出会い日常から遠く離れた宇宙人専門の保険会社「COSMOS」の存在を知って関わるようになる。SFならではのワンダーがあり、個性的なキャラクターたちの描写にもあふれた作品だ。


『死に戻りの魔法学校生活を、元恋人とプロローグから(※ただし好感度はゼロ)』(KADOKAWA)は、六つ花えいこ作で秋鹿ユギリがイラストの小説を、白川蟻んがコミカライズしたファンタジー。 魔法学校に通う17歳のオリアナは、ある日原因不明の死を迎え、死ぬ前の記憶を持って7歳の頃に戻るが、同じような死を迎えた恋人のヴィンセントの方は、オリアナのことを何も覚えていなかった。やり直しからの紆余曲折を乗り越えて2人は結ばれるのか。そんな興味を誘われる。

 泉光『図書館の大魔術師』(講談社)も異世界が舞台のファンタジー。田舎の村で暮らしていたアムンという少年は、本が好きだが耳長で貧乏だったため差別を受けて図書館を使えなかった。そのアムンが都にある図書館で働く司書と出会い、自分の運命を切り拓き始める。夢を抱きながら挫折しそうな人にとって可能性を見せてくれる作品だ。

 以上の10作品が「マンガ大賞2025」のノミネート作品。2024年中に出た作品から書店員や漫画好きの選考員が最大5冊を挙げてエントリーし、得票が多かった順に10作品が選ばれた。今回は97人が選考に関わり238作品が挙げられた。二次選考は10作品のすべてを読んだ上で改めて3位までを投票。ここで最大の得点を得た作品が、3/27(木)に開催する授賞式の場で栄えある「マンガ大賞2025」に選ばれる。

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