【漫画】戦争の勝敗を分ける、武器や兵士より大事なものとは? 話題のSNS漫画『わたしのマリオネット』

【漫画】戦争において重要なのは”視点”?


――作品の反響などはいかがですか? 印象的だった感想などもあれば。

すみれちゃん:「アクションシーンがカッコいい」と色々な人に言われて嬉しかったです。

――本作の制作のきっかけについて教えてください。

すみれちゃん:コミティアのカタログ誌「ティアズマガジン」のインタビュー依頼がきたからです。商業連載中はコミティアに出るつもりはなかったのですが、急遽描く必要があったので、馬や騎兵など好きなものを詰めるだけ詰めてネームを切りました。昨年の10月頃は月70ページほど描いていて、あれは死ぬかと思いましたね……(笑)。

――なぜ15世紀のフランスを舞台に?

すみれちゃん:中世ヨーロッパの戦争に興味があるんです。その1000年間ほどある歴史で最も一般的に知られているであろうジャンヌダルク、そして彼女の檜舞台となった「オルレアン包囲戦」をお話に絡めれば、わかりやすいのかなと。

――第三者目線で現代と比較したり、日本の卒業式のイメージが挿入される演出がユニークでした。こちらについてはいかがでしょう。

すみれちゃん:比喩ではなく、文字通りの「視点」をテーマにしたかったんです。飛行機や人工衛星、ドローンに代表されるような兵器の技術革新の多くは、つまり戦争の戦闘の行く末を決定的なものにするため「どこから見るか、どうやって見るか。」を求めた結果ですから。

物語に落とし込むにあたってその点(どこから見るか、どうやって見るか)をわかりやすく伝えるために親しみのある景色を演出としてお話の中に入れました。

――物語を考えるに当たって苦労などがあれば教えてください。

すみれちゃん:今回はいろいろなテーマ(歴史・俯瞰の視点・悪魔・アクション)など詰め込み過ぎたので、もう少し精査してネームを作ればよかったと反省しています。

 プロット段階で2万字ぐらいになってしまい、今回漫画にできたのは30%くらいでしたので、もうちょっと時間をかけたかったです……。

――作画やキャラデザインについてはこだわりや意識する点は?

すみれちゃん:可愛いものは可愛く、カッコいいものはカッコよく描くように心がけています。特に主人公・エマは個人的にとても可愛く描けたなと感じました。そばかすの子が好きなのでそばかすが描けて嬉しいかったです。

――コマの割り方や構図にも個性を感じました。

すみれちゃん:ありがとうございます。コマ割りは悩むポイントで、今は「勢いあるシーンは斜めコマ、その他はきっちり四角のコマ」を意識して描いています。今回はアクションシーンが多かったので『鋼の錬金術師』を読み直して参考にしました。

――前回のインタビューでは国家公務員をお辞めになったという話でした。現在の活動については?

すみれちゃん:『サン=テグジュペリは夢をみる』は1920年代の郵便飛行士の女の子を主人公にした漫画です。毎月連載で約10カ月目ですが、今までの人生で去年ほど忙しい年はありませんでした。週刊でやってらっしゃる作家さんはすごい……。

 ほとんど外に出ることなく描く毎日なのですが、公務員時代より全然充実していて「自分は自営業に向いていたんだな」と解釈しています。最新話は1月23日に公開で、それと同時にハッピーなお知らせもできる予定なのでワクワクしています。

――最後に今後の展望などあれば、お願いいたします。

すみれちゃん:今は読切作品を描きたいです。また今回の漫画のようなアクションシーンが多い漫画は描いていて楽しいので、そういった方向の連載企画も立ててみたいです。

▪️本作の続きが気になる方は同人誌をチェックしてみよう。
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