ラストイヤーでM-1決勝進出、双子漫才師・ダイタクがSNSでバズ お笑い研究家が分析するコンビの魅力
その後、たまたま父親の転勤もあって一家で上京することに。1年間のアルバイトで学費を貯め、2008年に揃って東京NSCに入学。相席スタート・山添寛、EXIT・りんたろー。、ネルソンズ、カゲヤマといった同期がいる中、首席で卒業している。
これだけならエリートの経歴だが、そう一筋縄ではいかないのがダイタクの持ち味だ。「相席スタート・山添にギャンブルを教えたコンビ」「年収は上がり続けるも酒とギャンブルで借金が減らない」「大喜利が苦手で、白紙のまま回答用スケッチブックをめくってごまかした」など、“クズ芸人”を思わせるエピソードも少なくない。
「今一番吉本で平場がおもろい」芸人が認める芸人
『チャンスの時間』(AbemaTV)では、ボートレース、競輪、ベトナムにある高レートのパチンコ・スロットに挑戦するギャンブル企画に出演。いずれもダイタクらしい妙なゲン担ぎから始まり、真っ向勝負を経ての潔い負けっぷりが印象に残っている。
プライベートでは芸人仲間に飲み代をおごり、時に後輩から借金もするコンビだ。一方で、レギュラー番組『囲碁将棋・ダイタクのこんなん見るやついねえって!~言うな~』(BSよしもと)で共演するなど親しい間柄の先輩・囲碁将棋のふたりを「『M-1』ラストイヤーの敗者復活戦で国民審査最下位」とイジり、大が仲の良い後輩の月収をさらし拓が「言うな!」とツッコむ定番の掛け合いを見せて笑わせたりもする。
M-1決勝行けました!
ラストイヤーで行ける人生でした!
皆さんの応援のおかげです!
山田ナビスコー!やったぞー! pic.twitter.com/HNiq0UPCHW— ダイタク タク(弟) (@daitakutaku) December 5, 2024
そんな彼らだからこそ、先輩・後輩を問わず慕われるのかもしれない。また、ヨシモト∞ホール、よしもと幕張イオンモール劇場など様々な劇場に出演する中で、たびたびライブのMCを務める立場になったのも信頼される一因だろう。昨年3月に配信された『千原ジュニアYouTube』(ダイタク出演回)の中で、千原ジュニアが後輩芸人から「今一番吉本で平場おもろいのはダイタク」と聞かされたと語っている。
当人たちは「劇場(が)長いだけです」と謙遜しているが、今年5月、『THE SECOND』王者のガクテンソク、準決勝のザ・パンチらを招いて開催された大宮ラクーンよしもと劇場でのトークライブ「第弐の漫才頂上決戦2024 緊急アフタートーク」でもダイタクの司会ぶりは圧巻だった。
グランプリファイナル(決勝戦)の前説を務めたことも相まって、時に鋭い質問を投げかけ、出演者が語るエピソードを補足し、客観的な意見をぶつけ、各々の面白さを引き立てながら会場を盛り上げていく。その力量は確かなもので、実に見応えがあった。