【漫画試し読み】自己評価が低い白魔導師が真の力を発揮! 『勇者パーティーを追放された白魔導師、Sランク冒険者に拾われる』
「謙虚は美徳」とか「秘すれば花」とか言うけれど、それで誰にも才能や実力を分かってもらえなかったら、ただの無能と思われても仕方がない。『勇者パーティーを追放された白魔導師、Sランク冒険者に拾われる ~この白魔導師が規格外すぎる~』(漫画:椋野わさび、原作:水月穹、キャラクター原案:DeeCHA)の主人公、白魔導師のロイドがまさにそんなキャラクター。勇者アレンから実力不足だと言われ、仲間からもひどい言葉を浴びせられてパーティーを追い出されてしまう。
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『勇者パーティーを追放された白魔導師、Sランク冒険者に拾われる ~この白魔導師が規格外すぎる~』第1話を読む

そんなロイドが本当に無能かというとまるで逆。仲間たちの能力を高めて強くしていたのは実はロイドだったから、彼がいなくなったアレンたちのパーティーは一気に弱くなって評判を落としてしまう。どうしてロイドが実力を誇ったり自慢したりしなかったのが謎だけど、その原因はどうやら彼の師匠にあるらしい。
美人の女性でとてつもない実力の持ち主だった師匠は鍛え方がとにかく苛烈で、ついていけなくなったロイドは逃げ出してしまった。これで自分が落ちこぼれだと思い込んだことが低い自己評価につながってしまった。「ほめてやらねば、人は動かじ」という山本五十六元帥の言葉もよく分かる。
ともあれ一文無しで放り出されてしまったロイドだったけど、フリーの白魔導師を探していたSランクのパーティーに臨時で雇われたことで運命が変わる。勇者パーティーを追い出されたDランクの白魔導師がいると噂に聞いていたから、とりあえず実力を見せてもらったらこれが凄まじかった。とんでもなかった。強化魔法を5つも同時にかけるなんてあり得ない技を簡単に繰り出し、何もないところから杖を取り出す収納魔法も見せてSランク冒険者たちを驚かせる。
たとえ本人は謙遜し秘してはいても、普通の人よりはるかにハードな鍛錬を経ていたことで凄まじい実力が身についていたということ。低く見られている者が、本当の実力を爆発させて周りを唖然とされる場面はいつ見てもやっぱり愉快で痛快だ。
Sランクパーティーに入って依頼をこなしに出かけた先でも、襲ってきた何百匹ものモンスターを魔法で焼き払い、矢で射貫いて退ける力を仲間に与えてのける。凄まじかった。何百匹ものモンスターを撃退し、ある企みによって街から引き離されていたパーティーを急いで引き返させて街を救う。そしてロイドは英雄として認められる。良かった良かった……なんて大団円はまだ早かった。
というよりここからが本番。何者かによって捕らえられていた獣人の少女の救出劇に始まって、彼女の正体が分かり故郷へと送り届ける旅に出て、途中で街ひとつを全滅させるような強敵と戦い、立ち寄った王都でダンジョンにもぐって秘宝を奪い合うといった具合に、次から次へと突きつけられる難題に挑む。その行く先々で繰り出される、ロイドが桁外れの実力を発揮してピンチを乗り越えていくのがやっぱり楽しい。
魔杖を探しに入ったダンジョンで繰り出す広範囲を探知する能力を見せたり、出現したモンスターのアラクネを退けたり。秘められた力を振るって周りを驚かせる楽しさを何度も何度も味わえる。最初はロイドをDランクだと侮っていた「破壊の勇者」テスタが途中で考えを変えて、ロイドをメンバーに誘おうとしたのも嬉しい話だ。ロイドを絶対に認めようとはしなかったアレンとは違って、勇者らしい勇者もいるのだと分かる。





















