【漫画】もしもオタクがギャルに鍛えられたら? 令和5京年を舞台にしたファンタジー漫画が面白い

――本作には1.5Kのいいねが集まっていますね。

ユミノ:冒頭のパワーワード「令和5京年」のおかげかなと思ってます(笑)。前から使いたかった言葉なので使えてよかったですね。着想は芥川龍之介のパロディ作品『クソデカ羅生門』の何でも大きくするという特徴からで、以前描いた漫画では「西暦49億9000万年」まではやったので、次は「5京年」かなと。

――「ギャルふたりに囲まれるオタク」というストーリーにしようと思ったのはなぜ?

ユミノ:鉄は熱してから急激に冷ますと強くなるので、これを人間に当てはめたら面白いかもしれないというアイデアでした。厳しい(熱する)/優しい(冷ます)を繰り返して、強い人間になるということなんです。あとは7メートルのマッチョを描きたくて、オタクがこんな姿になってしまいましたね。劇画調のキャラは描いていて楽しいです。バトル漫画が好きなので定期的に男らしい筋肉に惹かれるんですよね。もちろん「週刊少年ジャンプ」は15年以上購読しています。

――加熱と冷却と黒ギャルと白ギャルで表したのもユニークです。

ユミノ:ギャルも前々から描きたかったのですが、実際にギャルと会ったことがないのでイメージが難しかったですね。特に黒ギャル・クロコは白ギャル・シロコの特徴を反転させてデザインしていったのですが、「これは本当にギャルなのか?」と思いながら描いてました。ギャルというかアラブ系になってしまい、読者から突っ込まれなくてよかったです。

――Twitterでツリー連投する時に、最初のツイートは画像1枚だけにする手法を取っていますね。最近かなり主流になってきた投稿方法ですが、これについては?

ユミノ:Twitterのアルゴリズムが変わり、その方がインプレッションが上がるということで試験的に2年程前に投稿した『竹取合戦』を先日再掲したんです。すると以前投稿した時よりも多くの方が読んでくださっているようで。30倍くらい変わるという人もいました。漫画をツイートするなら、現状これは外せないかなと。

あと心掛けるのは「読みやすさ」。視線の誘導を考えながら、セリフの配置に気を付けます。読む順番が変わると印象が変わるし、テンポも悪くなってしまうので。あとは画面における白と黒のバランスにもこだわっています。

――制作は基本デジタルですか。

ユミノ:基本はiPadで描いています。「アイビスペイント」や「メディバンペイント」も試しましたが、個人的に「クリップスタジオ」が合うなと。紙だと買いにいく手間やコストがかかりますし、インクだと汚れてしまったりするので、もうずっとデジタルですね。

――次回作などの展望があれば教えてください。

ユミノ:うっすらではありますが、直近で挙げた本作と『竹取合戦』、『婚活』の3作品は続編を描きたいと考えています。でも実行するかどうかはモチベーション次第。映画などでインプットをしながら、アイデアが降ってくるのを待っているところですね。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「書評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる